先輩女性社員が「20代女性社員」を怒鳴りつけ…「職場を腐らせる人」が考えていること

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根性論を押しつける、相手を見下す、責任をなすりつける、足を引っ張る、人によって態度を変える、自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか。5万部突破ベストセラー『職場を腐らせる人たち』では、これまで7000人以上診察してきた精神科医が豊富な臨床例から明かす。

〈職場を腐らせる人が一人でもいると、腐ったミカンと同様に職場全体に腐敗が広がっていく。だから、早めに気づいて対処する必要があるのだが、職場を腐らせる人は攻撃的な意図を必ずしも丸出しにするわけではなく、ときには攻撃の気配さえ押し殺して、巧妙に仕掛けてくる。そのため、なかなか気づけない。

いや、それどころか、こちらが「おかしいのは自分のほうではないか」「問題があるのは自分のほうではないか」などと思い込まされてしまう場合さえある。その結果、気がついたときには、大切なものをすべて失っていたという事態になりかねない。

それを防ぐには、まず何よりも目の前のあの人が職場を腐らせる人だと気づくことが必要だ。気づかないでいると、職場を腐らせる人が秘めている悪意によって取り返しがつかなくなるかもしれない。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

職場を腐らせる人が恐ろしいのは、一人いるだけで影響が伝播していくことだ。『職場を腐らせる人たち』で取り上げる15の事例を見るだけで、「いるいる!」「あるある!」と思う人が多いかもしれない。

事例1 根性論を持ち込む上司

事例2 過大なノルマを部下に押しつける上司

事例3 言われたことしかしない若手社員

事例4 完璧主義で細かすぎる人

事例5 あれこれケチをつける人

事例6 八つ当たり屋

事例7 特定の部署にこだわる人

事例8 いつも相手を見下す人

事例9 相手によって態度を変える人

事例10 他人のせいにする人

事例11 不和の種をまく人

事例12 他人の秘密を平気でばらす人

事例13 その場にいない人の悪口を言う上司

事例14 陰で足を引っ張る人

事例15 ストーカー化する人

「自分もされたのだから、やってもいい」

たとえば、「八つ当たり屋」の場合--。

〈ある中小企業では30代の女性社員が突然20代の女性社員を怒鳴りつけるという。「この前、頼んでいた仕事はどうなったの。まだできてないの。なんでそんなに遅いの」「あなたが作った書類はミスが多くて、後で修正するのが大変なのよ。もっとちゃんとやってよ」などと目をつり上げて激怒する。そのため、若い女性社員は常にびくびくしており、退職者も続出しているため、慢性的な人手不足に陥っている。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

〈怒りや欲求不満の原因になった当の相手が怖くて、言い返すことも反撃することもできない場合、その矛先を転換して別の対象に向け変えることを精神分析では「置き換え」と呼ぶ。これは、怒りや欲求不満を溜め込みすぎると心身に不調をきたしかねないので、そういう事態を防ぐための防衛メカニズムであり、誰でも知らず知らずのうちにやっている。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

こうした職場のやっかいな人たちで要注意なのは、「自分もされたのだから、やってもいい」という連鎖が次々と生まれることだ。

そして人間関係の悩みがなくならない職場になってしまう。ただ、八つ当たり屋をすぐに変えるのは難しい。話題書『職場を腐らせる人たち』では、多くの事例から見えた有効な対処法なども語っている。

つづく「どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体」では、「最も多い悩みは職場の人間関係に関するもので、だいたい職場を腐らせる人がらみ」「職場を腐らせる人が一人でもいると、腐ったミカンと同様に職場全体に腐敗が広がっていく」という著者が問題をシャープに語る。

どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体