◆米大リーグ マーリンズ―ドジャース(19日、米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 ドジャース大谷翔平投手(30)が19日(日本時間20日)、敵地・マーリンズ戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、5打席目までに5安打7打点、2盗塁、2本塁打で「50―51」となって史上初の「50―50」を達成した。11点をリードした9回2死一、二塁の6打席目にも本塁打を放った。自己最多の1試合3本塁打、6安打、10打点で「51―51」となった。

 レギュラーシーズンも残り10試合。3連戦最終戦のマーリンズの先発はエドワード・カブレラ投手(26)だった。今季は試合前の時点で18登板で4勝7敗、防御率4・55。大谷は今年5月7日(同8日)に本拠地で対戦した際には2打席連続四球で、昨年は3打数無安打に抑えられていた。

 初回先頭の1打席目は、カウント2―2から真ん中付近に甘く入ったチェンジアップを強振。打球速度114・6マイル(約184・4キロ)という強烈な打球で右中間フェンスに直撃する二塁打となった。データサイト「Baseball Savant」によると、本拠地(ドジャースタジアム)など13球場であれば本塁打だったという。さらに1死一、二塁で三盗を決めて50個目の盗塁を決めた。敵地ながら大きく盛り上がった。

 1―0で1点をリードした2回2死一、二塁の2打席目は右前適時打。リードを2点に広げると、2死一、三塁でベッツの打席で二盗を決め、51個目の盗塁となった。5―1で4点をリードした3回2死一、三塁の3打席目は2番手左腕・ベネジアーノと対戦し、左中間への2点適時二塁打。一気に三塁を狙ったがタッチアウトとなった。1試合3安打は、7月2日(同3日)の本拠地・ダイヤモンドバックス戦以来約2か月半ぶりで、今季10度目となった。3回までで3安打3打点2盗塁と大暴れを見せた。

 そして勢い止まらず出たのがホームラン。4点をリードした6回1死二塁の4打席目だ。3番手右腕・ソリアーノの1ストライクからの2球目、85・4マイル(約137・4キロ)のスライダーを完璧に捉えた。打球速度111・2マイル(約179・0キロ)、打球角度36度で飛び出した打球は、飛距離438フィート(約134メートル)で右翼席に消えていった。この打席終了時点で4打数4安打5打点、2盗塁。19年6月以来2度目となるサイクル安打へも三塁打を残すのみとリーチをかけた。松井秀喜が06年にマークした日本人最多116打点にも115打点となってあと1に迫った。

 サイクル安打に王手をかけた9点をリードした7回2死三塁の5打席目は、敵地ながら50号に期待のかかる異様な雰囲気の中、左翼へ50号2ラン。圧巻の2本塁打&2盗塁で「50―51」として偉業を成し遂げた。敵地ながら歓声は鳴りやまず、ベンチでナインとハグを交わした大谷は、グラウンドに再び出て手を挙げて歓声に応えた。9回2死一、三塁でも右翼へ51号3ラン。10打点は球団記録となった。1試合6安打、3本塁打も自身初だ。

  地区優勝へのマジックは7で、プレーオフ進出へのマジックは1。この日ドジャースが勝てば12年連続のプレーオフ進出が決まる。ちょうど1年前の9月19日(同20日)は、2度目の右肘手術を受けた大谷。シーズンも最終盤を迎えている。