不信任決議が全会一致で可決され、記者の質問に答える斎藤知事(19日午後5時53分、神戸市中央区で)=金沢修撮影

写真拡大

 兵庫県の斎藤元彦知事(46)がパワハラなどの疑惑を内部告発された問題で、県議会(定数86)の全議員86人が19日、斎藤知事に対する不信任決議案を提案し、全会一致で可決された。

 斎藤知事は知事を辞めるか、議会を解散するかの選択を迫られる。総務省などによると、都道府県議会での不信任決議は5例目。可決には出席議員の4分の3以上の賛成が必要で、在任する全議員が賛成しての可決は初となる。

 19日の本会議では、最大会派の自民党(37人)の戸井田祐輔県議が「県政は停滞と混乱を極めている。(斎藤知事が)これ以上県政を担い続けることは不可能だ」などと提案理由を説明し、記名投票が行われた。

 斎藤知事は今後、10日以内に県議会を解散しなければ自動失職する。議会解散の場合は40日以内に県議選が行われ、自ら辞職するか失職の場合は50日以内に知事選が実施される。斎藤知事は不信任決議後、記者団に「議会側の選択は大変重い」と述べる一方、今後の対応については明言せず、「しっかり考える。改革を続けていくことが大事だという気持ちに変わりはない」と続投に意欲をにじませた。

 県議会では、第2会派の維新の会(21人)が9日、斎藤知事に辞職を要求。さらに自民党など残る4会派と無所属の4人が12日、斎藤知事に辞職を申し入れたが、斎藤知事は応じない意向を示していた。

 斎藤知事は東大卒で2002年に総務省に入り、大阪府財政課長を経て21年7月の知事選に無所属で立候補。自民党と日本維新の会の推薦を得て初当選した。