クイーンビートル

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 JR九州高速船が博多港―韓国・釜山(プサン)港を結ぶ旅客船「クイーンビートル」(定員502人)の浸水を隠して運航を続けた問題で、国土交通省は17日、同社に対し、海上運送法に基づく「輸送の安全確保命令」と「安全統括管理者・運航管理者の解任命令」を発出する方針を固めた。

 いずれも行政処分にあたる。

 JR九州高速船は2月、船首部への浸水を確認したのに法令で義務づけられた検査や修理をせず、5月に浸水状況がさらに悪化するまで国に報告せず運航を続けた。その間、航海日誌などに「異常なし」と虚偽記載をし、浸水量が増えた後は警報が鳴らないようセンサーの位置をずらしていた。

 こうした問題は8月上旬、国による抜き打ち監査で発覚し、国交省は行政処分の実施に向けて監査を続けていた。

 同社はJR九州の子会社で、昨年2月にも浸水発生時に臨時検査を受けないまま運航を続けたとして、海上運送法に基づき、輸送の安全確保命令を同6月に受け、改善報告書を国交省に提出していた。