バーレーン戦に出場した日本代表・三笘薫【写真:ロイター】

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森保ジャパンは中国戦、バーレーン戦で圧勝

 森保一監督率いる日本代表は9月シリーズ、北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で中国戦(7-0)、バーレーン戦(5-0)において2連勝スタートを切った。

 3バックに挑戦し、手応えを得たなか、今大会では東京五輪組の精神的な成長が見られた。言葉で牽引するタイプのMF久保建英、MF堂安律に加えて、MF三笘薫にも大きな変化があり、これが2試合で12ゴールを挙げた日本代表の強さの「秘訣」だった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 2戦12発。圧倒的な数字でスタートを切った最終予選。真夏の日本、灼熱のバーレーン、どちらも厳しい環境だったが、チームは3バックを採用して堂々の結果を残した。

 3年前、前回大会とはまるで違う滑り出しだった。東京五輪直後の最終予選。久保、堂安、三笘はまだまだ若手だった。大会中、必死にA代表に食らい付いた。三笘はW杯出場を決めたオーストラリア戦で2ゴールを挙げるなど結果を残していたが、「まだまだここから」という立場だった。堂安も「ベテランの方からしたらA代表での緊張感がお前らにないぞ、というミックスが上手くできていなかったと思う」と当時を振り返っていた。

 そのなかで、今シリーズ顕著だったのが東京五輪組の精神的な成長だ。久保と堂安は中国戦で互いを生かし合う動きを見せた。久保は「大人になったのが1つと余裕もあるので、僕が、僕がすべてではなくチームスポーツなので」と自然体で臨めた理由を話し、堂安も「彼の良さと自分の良さを出し合うポジショニングだった」といかに強力な攻撃を生み出せるかに焦点を当てていたとした。

 2人は言葉で積極的に表現するタイプ。一方で三笘は背中で見せるタイプだった。

 だが、今シリーズは三笘にも変化が見られた。以前より力強く話し、チームを牽引していく姿勢が感じられた。バーレーン戦後にその思いを語っている。

「僕らもW杯を1回経験してリーグもいろいろと高いレベルでプレーしているので引っ張らないといけない立場になっている。全員が自覚していけばより強固になると思うし、呼びかけ1つでチームも強くなる。オフ・ザ・ピッチでもいろいろな取り組みをしたい」

 最終予選はあくまで通過点。W杯での結果を求めている。ステップアップし続ける東京五輪組の凄まじい成長にこれからも期待したい。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)