ドル円はNY時間に入って伸び悩む展開を見せている。先週は141円台まで下落し、8月初めの混乱時に付けた安値141.70円に接近していた。本日は米株式市場が買い戻されていることもあり値ごろ感からの買い戻しから143円台半ばまで上昇していたが、本格的に買い戻しを試す積極的な動きはないようだ。

 7-9月期はこれまでのところ、円が急速に買いもどされているが、この傾向はまだ始まったばかりだとの見方も出ている。ここ3カ月のパフォーマンスは金融危機以降で最高となる勢いだが、今後のFRBの利下げを考慮するとドル円は売られやすいという。

 2022年以来のFRBの利上げは過去数十年で最も懲罰的なサイクルだったが、インフレもようやく落ち着きを見せ始めていることを考えると、インフレ調整後の米政策金利は依然として高いという。このことはFRBが来週利下げサイクルを開始すれば、その後の利下げペースは速い可能性があるという。

 その場合、ドル建ておよび円建て資産のインフレ調整後の利回り格差も縮小し、円を下支えするとしている。

USD/JPY 142.83 EUR/JPY 157.62
GBP/JPY 186.70 AUD/JPY 95.05

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美