(写真提供:Photo AC)

写真拡大

着なくなった服が押し込まれたクローゼット、本がぎっしり詰まった本棚、使わないお皿だらけの食器棚……。モノで溢れた家にうんざり、という読者も多いのでは。一方、これまでに7000人以上の受講生へアドバイスをしてきた人気整理収納アドバイザー・阿部静子さんは「何があるかわからない時代だからこそ、人生の折り返し地点を過ぎたら片づけたもの勝ち」と断言します。その阿部さんが50代以上に向けて、お手軽片づけ術を伝授。今回のテーマは「夏を乗り切る片づけ」です。

【写真】阿部家の「家族ごとボックス」。こんな感じでそれぞれが管理しています

* * * * * * *

夏を快適に過ごすための片づけ

いよいよ夏本番。ただ家にいるだけで暑い…。

ちなみに家の中が片づいていないと、暑苦しく見えるだけでなく、空気の通りも悪くなって、実際に部屋の中が暑くなりかねません。またモノが多いと、エアコンや扇風機の効きがなんとなく良くない気がする、という声も。

夜はただでさえ寝苦しく、寝不足も気になる今日この頃。特に寝室の片づけには気を付けたいところです。

ひんやり感じるシーツなど冷感アイテムを利用するのももちろんいいですが、ぐっすり眠るため、目から入る情報を減らす意味での「片づけ」を考えても良い季節だと思います。

寝室のチェストの上に、びっしりとモノが置いてありませんか? 手の届かない棚の上の方に、箱を積み上げていませんか? 床に雑誌が積み重なっていたり、クローゼットに入りきらない服が放置されていませんか?

こうした状況は暑苦しさを招くだけでなく、地震などの際、大変に危険です。この機会に、少しずつ片づけて、夏場でも良い睡眠が取れるような寝室にしていきましょう。

以下、今回は夏を快適に過ごすための片づけをお伝えします。

まずチェックしたい紙類

片づけの鉄則は、どこであろうと「一度で全部やろうとしない」「一か所だけしっかりやる」ということ。

たとえば紙類から手を付ける、テーブルだけ片づける、ソファーの上からモノをなくす、などなど、とにかく分けて、なるべく細かく考えていきます。

まずチェックしたいのが紙類。

テーブルやキッチンカウンターの上に無造作に置かれたお便り、棚にぎゅうぎゅうに押し込まれた紙類はありませんか? 用事が済んだお知らせや案内の紙、フリーペーパー、古い通販カタログ、もうない家電の取扱説明書…。

この機会に取り出し、不要なものをサクサクと捨てていきましょう。

要・不要という視点で見直してみると、不要な紙は驚くほどたくさんあるもの。そして不要なものが少なくなっていけば、その分、大事なものがすぐ取り出せるようになっていくはずです。

テーブルの上を見渡してみる

次にチェックしたいのはテーブルです。

あらためてテーブルの上を見てみると、モノが置きっぱなしになっていませんか? ついモノを置いたら、それがいつの間にか定位置になっていたりはしないでしょうか? 

明らかにいらないものがあれば捨てましょう。食べかけのお菓子はキッチンに、大事な書類は書類入れに、など定位置を決めてそこへ戻しましょう。それ以外のこまごまとしたものは、ケースなどへひとまとめに収納しておく。

基本的にテーブルに置くのは、よく使うものだけを厳選するようにしましょう。

ソファーと床は「家族ごとボックス」で

そしてソファーと床。雑誌、服、趣味のもの、家族の私物などが放置されていませんか?

オススメはお父さん、お母さん、お姉ちゃん、おじいちゃんなどなど、一人一人の「家族ごとボックス」を作るということ。この連載でも過去に説明していますが、家族の一人一人に一つずつケースを用意し、自分で管理してもらうのです。

なお、ボックスのサイズは浅すぎるとものが入りませんし、深すぎると取り出しにくい。取り出しやすくそこそこ入るサイズ感がおすすめです。加えて、取っ手やタイヤ付きだと掃除の時に移動するのがラク。

このボックスで、ソファや床の上に置いてしまうことを防げるうえ、「あれがない、これがない」といった探し物もだいぶなくなるはず。労力の無駄遣いはもちろん、汗をかかずに済むことでしょう。

カーテンの洗濯も

以上がこの時期に気を付けたい「片づけのポイント」となります。

なお、片づけではありませんが、この時期は、カーテンのお洗濯もおすすめです。

「カーテンなんて、いつ洗濯しただろう…」という方もいらっしゃるかもしれませんが、今の時期なら早々に乾きます。洗いたてのカーテンは気持ちがいいものですし、衛生的でもあります。

今回は以上となります。

この時期、熱中症は家の中でも、そして昼でも夜でも関係なく起こります。ですので、日中にいる時間が長いリビング、そして就寝時に長く過ごす寝室を特に意識的に整え、この猛暑を一緒に乗り切りましょう。