3300年前の沈没船発見。当時の航海術は予想以上に高度だった?
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イスラエル沖で天然ガスを採掘している企業が、地中海の海底で3300年前の沈没船とその積み荷を発見しました。
注目すべきは沈没船が見つかった位置で、イスラエル北部の海岸から約90kmと、そのような古代船としては驚くほど陸地から離れていたのです。
1年ほど前に水深1800mの海底で発見されたのは、全長およそ13mの木造船でした。少なくとも現時点で船は引き揚げられていませんが、イスラエル考古学庁は調査のため、船と共に見つかった数百個の壺のうち2個を回収。深い海の底ですから船は海流や漁師に荒らされることなく、積み荷は無傷のまま残っていたのです。
古代の航海術についての認識をひっくり返す発見
イスラエル考古学庁の海洋部門のトップJacob Sharvit氏は、同庁のリリースの中でこうコメントしています。
この船の発見が、古代の船乗りの能力に対する私たちの認識をすっかり変えるでしょう。陸地が見えないほど遠い距離で見つかったのは、初めてです。
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これまでにも同じ海域では、今回の沈没船と同じ後期青銅器時代の船が発見されています。それらは沿岸に近い位置で見つかっており、当時の船は陸地が見える距離を保ちながら航海していたと考えられていました。
しかし今回の船は海岸から非常に離れた場所で見つかっていることから、陸地が見えない大海原を太陽や星といった天体の位置を用いつつ航海していた可能性が浮上。この発見は、古代の船乗りたちが知られているよりも高度な航海術を持っていたと示しています。
なお、この船が沈没した理由について考古学庁は、嵐のせいか海賊に襲撃されたからかもしれないと述べていました。
沈没船から回収された壺は、レバント(地中海東部に隣接する地域)に生息していた古代民族であるカナン人のものと判明。2022年には、別の研究チームが原カナン文字での最初の文章(「この牙が髪とヒゲからシラミを取り除きますように」という内容)が刻まれた3000年前の櫛を発見しています。
海底で見つかる、保存状態の良好な沈没船
今回の船は後期青銅器時代という時期や陸地からの距離、保存状態など特筆すべき点が多いものの、今月はもっと有名な難破船の発見も報じられています。
探検家アーネスト・シャクルトンの最後の遠征船「クエスト号」が、1962年に沈没するもカナダの東部沿岸近くで見つかりました。2年前には、同氏のおそらく最も有名な遠征船で1915年に沈没した「エンデュアランス号」も、海底2,987mで発見されています。こちらも保存状態がよく、木を貪り食って沈没船を荒らす生物のいない海域、ウェッデル海の底で直立していました。
昨年は、また別の難破船(129年前のアイアントン号)が3本のマスト全部が真っすぐ立った状態で、ヒューロン湖の底で見つかっています。
Source: Israel Antiquities Authority,
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