●アーティストと俳優業の二刀流に手応え

TBSの深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」で放送中の『瓜を破る〜一線を越えた、その先には』(毎週火曜24:58〜 ※一部地域を除く)で元モーニング娘。の久住小春とともにW主演を務めるEXILE/FANTASTICSの佐藤大樹にインタビュー。俳優業への思いや今後の抱負など話を聞いた。

EXILE/FANTASTICSの佐藤大樹 撮影:蔦野裕

本作は、累計発行部数400万部突破の板倉梓氏によるコミック『瓜を破る』を原作に、登場人物たちが30代処女、事実婚、ルッキズム、ノンセクシャルなど、さまざまな悩みに迷いもがきながらも自分なりの答えを模索していく姿を描く群像ラブストーリー。30歳を超えても性体験がないことに悩んでいる会社員・香坂まい子を久住、人と関わることが苦手なOA機器管理会社の契約社員・鍵谷千里を佐藤が演じている。

――アーティスト活動に加え、俳優としても数々の作品に出演されていますが、今の俳優業への思いをお聞かせください。

この世界に入った時から、絶対にアーティストと俳優の二足のわらじを履きたいという思いがあったので、ようやくここ数年でそれが実現できてきたのかなと思っています。どんな役でもどんな状況でも毎回120%で挑むというのは変わらず自分で決めていることなので、それをモットーに頑張っています。

○自分と真逆な性格の役に挑戦「とても糧になっている」

――今回、鍵谷くんを演じる際に意識したことを教えてください。

鍵谷くんは普段の僕と真逆な性格なので、演じがいがあるなと思いました。なるべく鍵谷くんでいたほうがそう見えるのではないかなと思ったので、現場ではあまりしゃべらないようにしています。

――原作のファンも多いということで意識したことがありましたら教えてください。

ビジュアルは、カツラではなく絶対に地毛で表現したいと思ったので、黒く染めて原作に近づけました。

――ビジュアルが公開されたときに「再現度が高い」という声が上がりましたが、反響は届いていますか?

日頃自分を知ってくださっている方は「いつもと違う」「ギャップが面白い」と言ってくださっていますし、原作ファンの方も喜んでくださっている印象を受けたのでよかったなと思いました。





(C)『瓜を破る〜一線を越えた、その先には』製作委員会

――ここまでビジュアルにこだわった役作りは初めてですか?

そうですね。今回、見た目がとても印象的な役だったので、原作に近づけることをとても意識しました。

――新境地の演技だと思いますが、本作への出演はご自身にとってどんな経験になっているなと感じていますか?

とても糧になっています。鍵谷くんの癖を意識して、いつもより猫背にしたり、歩くスピードやしゃべるスピードを遅くしたり、自分じゃない人になりきれているなと感じているので、この経験は今後の作品でも絶対に生きるだろうなと思っています。

●今後の抱負「日曜劇場出演も目標に」



――今後の抱負をお聞かせください。

アーティスト活動もしていて、2つのグループに所属しているので、毎年ライブをコンスタントにやりたいですし、EXILEでは最年少、FANTASTICSではリーダーという、両方の立ち位置をうまく活かして、いろんな人とコミュニケーションをたくさんとっていきたいです。そういった日頃のコミュニケーションが俳優業において役にすごく反映されるなと、年齢を重ねるごとに感じています。

――2つのグループで違う立ち位置を務められているからこそ、人間的な幅がより広がり、それが役に生かされているということでしょうか。

そうですね。リーダーと最年少は真逆なので、どちらの視点も持てるというのは学ぶものが多いですし、得しているなと思います。

――俳優業がアーティスト業に還元されているなと感じることはありますか?

バラードを踊るときなどに、歌詞の意味をより理解しようと思うようになりました。俳優をしているときは、セリフの意味を考えて演じるのですが、それがアーティストの活動にもプラスになり、歌詞の意味をより理解して表現できるようになったと思います。

○「30代に突入したら情熱的な大人な役などにも挑戦したい」

――今後挑戦してみたい役などはありますか?

20代後半はラブシーンなどを求められることが多かったですが、30代に突入したら情熱的な大人な役などにも挑戦したいなと思っています。あと、子供の頃から探偵モノやスポ根モノがすごく好きで、今ほかの作品で探偵役を演じているので、スポ根モノにも挑戦したいです。そして、日曜劇場出演も目標に掲げているので、30代前半のうちに必ず叶えたいと思っています。

――最後に視聴者にメッセージをお願いします。

他人同士が出会って、距離感やものの考え方がものすごく変わっていく物語で、毎週すごいテンポ感で進んでいくので、あっという間の30分になると思います。この作品を見て明日からの活力になったらいいなと思うので、ぜひ見ていただきたいです。

■佐藤大樹

1995年1月25日生まれ、埼玉県出身。2011年より俳優、サポートダンサーとして活動を開始。2014年、「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」に合格し、EXILEのパフォーマーへ。2016年12月、世界とともにリーダーを務めるFANTASTICSを結成。俳優としての近作は、ドラマ『liar』(22)、『理想ノカレシ』(22)、『Sister』(22)、『around1/4(アラウンドクォーター)』(23)、映画『4月の君、スピカ。』(19)、『小説の神様 君としか描けない物語』(20)など。

ヘアメイク:パクヨンソン(Luana) スタイリスト:平松正啓(Y's C)