食肉サブスクの ブッチャーボックス 、CMOキラン・スミス氏が語る「次の成長に向けた」マーケティング組織改革
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。ほとんどの人々は、サブスクリプションボックスの時代は終わったと語る。そこに登場したのがブッチャーボックス(ButcherBox)だ。
ボストンを拠点とするこの食肉サブスクリプション企業は、2015年の創設以来ブートストラップ運営(資金調達などに頼らず自己資金で運営すること)で利益を上げており、成長し続けている。2022年には6億ドル(約852億円)を超える収益をもたらした。
キラン・スミス氏は2022年にCMOに任命され、これまでにアイロボット(iRobot)やアーノルドワールドワイド(Arnold Worldwide)、ブルックストーン(Brookstone)といった企業に勤めてきた。会社のマーケティング組織全体を体系化するのが職務だ。
「私が1年ほど前に着任したときに気づいたのは、マーケティングが6つの異なるチーム、社内の複数の人々に分散していたことだ」とスミス氏は、米モダンリテールのポッドキャストで語った。
これは悪いことではないが、会社をスケーリングするにはワークフローを一部変更する必要があった。「私が雇われたのはそのためだ。つまり、成長の次の段階に向けた準備を支援するためだ」とスミス氏は話した。
焦点のひとつは、潜在的な能力を見いだすことだった。「これからマーケティング担当者としてできることはたくさんある」とスミス氏は話した。しかし、今年もっとも多くの労力を注いでいるのはマーケティング組織を作り直すことだった。「これには最初の1年間の大部分を費やした」と同氏は語った。どうすれば6つの異なるチームが1人のリーダーの下で働けるかを見つけだし、会社全体としての目標と一致する、まとまりのあるロードマップを作成する必要があった。
しかし、このような大変なタスクがあったにもかかわらず、熱狂的なファンベースのおかげで、ブッチャーボックスのマーケティングの多くは、すでに完成しているとスミス氏は言う。「それは、会員がすでに我々と我々の商品に信頼を置いてくれていたことだ」。
このような仕事をずっとやってみたかったと、スミス氏は語る。すなわち、成長中でありながらも、多くの数十億ドル規模の企業が直面するようなパターンや官僚主義に妨害されていないような企業だ。
「特に大変な作業だとは感じなかった。熱意を持って取り組むことができた」と同氏は述べている。
対談の要点を以下に示す。これらは明瞭性を考えて多少の編集を加えたものだ。
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複数のチームを1人のリーダーの下に統括する
私が1年ほど前に着任したとき気づいたのは、マーケティングが6つの異なるチーム、社内の複数の人々に分散していたことだ。調整という観点から、当時はそれが理にかなっていた。新興企業というのは、典型的な、袖をまくり上げて、やるべきことをやるという環境だ。それによって現在の地位が築かれ、5億ドル(約710億円)を超える企業になったわけで、それは素晴らしいことだ。しかし、次の5億ドルをどうやって稼ぐか、自社をどのように編成すべきか、パートナーは誰なのか、そして自分たちが構築するマーケティング投資能力についてどのように考えているのかについて、我々は組織そのものを見直す必要があった。私が雇われたのはそのためだ。つまり、成長の次の段階に向けた準備を支援するためだ。
ブッチャーボックスが重視する口コミ
ブッチャーボックスの独自性のひとつは、本当に素晴らしい商品があるということだ。マーケティング担当者として、食肉や海産物など自社の商品がどれだけ優れているかを堂々と話せるということは、率直に、多くの競合他社より優位に立てる。我々には、夕食時に食卓を囲んで「この料理はすごく美味しい」と言ってくれているサブスクリプションの会員がいる。そして、このような人々は真っ先に「ブッチャーボックスっていうんだ。試してみて」と伝えてくれて、その理由もたくさん説明してくれる。会員は我々と我々の商品を信頼してくれているため、最良のマーケティングツールとなってくれる。もうひとつ重要なのは、食料品を買いに行くのは習慣だということだ。人々は毎週、もしかしたら週に何度も買い物に行く。そのため、当社が行っているような食肉のサブスクリプションはそのパターンにうまく適合するのだ。
会社のマーケティングミックス
ソーシャルは依然として、我々にとって非常に重要なチャネルだ。アフィリエイトやインフルエンサーは、当社のマーケティングミックスのなかでも引き続き非常に重要な役割を担っている。TikTokをはじめとするさまざまなソーシャルを使い、それぞれ異なるメッセージを発信している。何が効果的で何が効果的でないか、日々学んでいる。さらに、テストをとても重視している。また、人々に呼びかけるコミュニケーションミックスとして、eメールも相変わらず非常に重要な位置を占めている。そのため、マーケティングミックスは驚くようなことではない。。ストリーミングも同様にメディアミックスの一部として使い続けている。つまり、さまざまなものを使っている。
[原文:ButcherBox CMO Kiran Smith on how she overhauled a startup-y marketing team]
Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
