騎乗停止処分を受けたJ.クローリー騎手(22年10月、撮影:高橋正和)

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 フクムに騎乗してキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(現地29日、3歳上・英G1・芝2390m)を制したJ.クローリー騎手は、鞭の使用回数超過により、20日間の騎乗停止および1万ポンド(日本円にして約180万円)の罰金を科された。『Racing Post』をはじめ、現地の複数メディアが報じている。

 規定ではレース中に6回まで使用が認められており、1回超過で4日間、2回超過で7日間の騎乗停止処分となる。同騎手は9回使用したことに加え、クラス1のレースであったため、10日間の2倍となる20日間の騎乗停止処分が下された。

 また、2着ウエストオーバーのR.ホーンビー騎手も1回超過で4日間の騎乗停止処分を受けた。本来は4日×2倍の8日間となるが、違反回数が少ない騎手および見習い騎手に対しての軽減措置が1日から導入されており、4日間のみの処分となった。

 英国競馬統括機構の担当者は、「正当化される理由がほとんどない。スポーツのイメージを守り、公正性を保つため罰則が必要」と述べた。一方でクローリー騎手は取材に対し「鞭のルールは把握していたし注意していたが、集中している状況かつ馬を御しながら回数を数えるのは非常に難しい。私もホーンビー騎手も使用回数が超過していることには気づいていなかった」と話す。

 英国競馬統括機構によると「3月の新ルール導入以降、国内の平地競走において回数の大幅超過はほとんど例がなく、近隣諸国の基準を考えてもルールや処分は妥当」とし、続けて「競馬のイメージを守るだけでなく、公平性を維持するために決められており、ファンや他の騎手と利益を保護するためにも、ルールを守ってほしい」と語った。