フランクリン・ プランナー / フランクリン・プランナー

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新年度となり、「今年こそは成長したい」「これまでとは違い、大きく成長したい」と考える人は少なくないでしょう。

とくに、ここ約2年のコロナ禍で、思い通りの成長につながる活動や自己投資ができずに、忍耐の年になってしまった人も多いはずです。また、結果を出すことに必死になりすぎて、疲弊してしまった人も少なくないでしょう。

結果を出す活動も行いながら、さらに成長するという両立は、簡単ではないかもしれませんが、将来、大きな結果を出すためにも、今成長することは必要なことです。

通常の毎日や毎週の時間管理では、どうしても「結果を出すこと」。つまり、「やるべきこと」の確認とスケジューリングが中心になります。たとえば、朝、上司から、あるいはクライアントから言われていることを確認し、今日できることをリストアップし、すでに入っているアポイントやミーティングの時間をさけながら、何時にやろうかと計画していくわけです。

そして、このリストを1日に何度か振り返りながら、実行済みのタスクには「✔」をつけ、新たなタスクの処理にかかるというやり方です。

この方法も悪くはないのですが、どうしても短期的な結果を求めるために近視眼的になってしまうのと、「期待に応えなければならない」という人間関係ばかりが気になり、長期的な目標や、上司やクライアントから指示されたこと、あるいはプライベートの生活においても人からの頼まれごと以外に目が向きづらくなります。よほど強い意志がなければ、本当はやりたいが計画していないことがらを実行するのは難しくなります。

1日は24時間、1週間は168時間

1日は24時間、1週間は168時間です。これは誰にも平等なことです。このなかで、どのように計画し、実行していくか、もう一度振り返る必要があります。実は時間管理の際に、この総時間のことを考える人は多くありません。

多くの人は、「今日、これとこれをやらなければ」というように、タスクを積み上げていきます。

しかし、時間管理とは、有限な時間のなかで、どのような優先順位をつけるかということです。

ですから、「これは今日やらない、あるいは他者に依頼する」といった判断も必要となり、実現可能な優先順位をつける必要があります。

成長を定義し、タスクに落とし込む

毎日、忙しい業務のなかで、成長につながる活動を行うには、まず、自分にとっての成長というものを分かりやすく定義することが必要です。漫然と「成長したい」と思っても、具体的な行動に結びつくことは少なく、当然のことながら、人によって成長の定義は異なります。

ある人は、「英会話のレベルを上げる」かもしれませんし、ある人は「マーケティングのオンラインスクールを修了する」「業界知識の豊富さで社内一番になる」「企画提案のクオリティを上げる」といったことになるかもしれません。もちろん、それはひとつではなく、複数あるでしょう。

1年後、「こういう姿になっていたい」、「なりたい」ということがらを分かりやすく定義することから始めましょう。

気を付けてほしいのは、出来る限り、「1000万の利益を上げたい」「10社受注したい」などの結果目標にしないことです。結果目標に対して、ブレのないプロセスが組立てられればいいのですが、多くの場合、結果だけを追いかけてしまいがちです(アウトプットに一生懸命になる)。

たとえ達成できたとしても、それは、今持っている能力を発揮したおかげで結果を出すことができたということであり、次に、さらに大きな結果を出そうとするならば、さらに能力を磨く必要があるわけです。

スポーツの試合で能力を発揮し、勝つことができたとしても、その能力は、練習によって身についたもののはずです。

ですから、勝負に勝つために、どのように成長すればよいのか、つまり、どのような練習を積み重ねればいいのか、それが成長の定義ということになります。成長とは、自己プロセスですから、自分自身の行動として定義するようにしてください。

ビジネスにおいては、ほとんどの活動は、「勝負の試合となる場面で結果を出す」タスクか、「練習として試合で発揮する能力を伸ばす」タスクのどちらかのはずです。このバランスが重要です。

ただし、もしあなたの活動に、これ以外のタスクがあるとすれば、それは即刻やめましょう。

1週間と1日の両方の計画を立てる

成長の定義ができたら、計画を立てることになります。

計画は、その日の朝でも悪くはありませんが、すでに1日の行動予定がびっしりで成長のためのタスクが入る余地もない、ということも少なくありません。

できれば、1週間の計画と毎日の計画の両方を行います。

時間は有限です。時間を有効に管理し、使うためには、「結果を出すための時間」と「自分の成長のために有効な時間のバランスをとる」という観点が必要です。1週間というスパンのなかで、できれば1割から2割程度は、成長のタスク(活動)が計画されていることが望ましいでしょう。

ただし、その方法は一人ひとり異なります。

試行錯誤を繰り返しながら、自分にあった方法とバランスを考え、時間管理のスキルも伸ばしていくことができるはずです。