Amazonプライムは毎月または毎年一定額を支払うことで加入できるサブスクリプションサービス(サブスク)ですが、「解約したいのに、解約方法が分かりづらくてサブスクを継続している」といったケースが多く、消費者団体が「Amazonプライムは解約しづらすぎる」として訴訟を起こす事態も発生しています。2022年3月16日にリークされたAmazonの内部文書からは、Amazonが意図的に解約方法を複雑化することで、解約者を減少させていたことが明らかになりました。

Amazon uses tactics to make Prime cancellations harder, making it drop 14% - TechStory

https://techstory.in/amazon-uses-tactics-to-make-prime-cancellations-harder-making-it-drop-14/

ユーザーをだましてウェブサイト上の商品購入やサブスク契約を狙うデザインは「ダークパターン」と呼ばれており、アメリカ・カリフォルニア州で法律によって禁じられていたり、「クリック1つでサブスク加入、解約は電話」という手法が違法とされたりと、問題視されるケースが多くあります。

あなたをだますウェブサイトのデザイン「ダークパターン」を見分けるために理解しておくべきこと - GIGAZINE



Business Insiderが入手したAmazonの内部文書によると、AmazonAmazonプライムの解約を試みるユーザーに対して「いくつか質問に答えさせる」「月間契約から年間契約に変更するオファーを提示する」といったアクションを行い、解約プロセスを複雑にすることでキャンセル率を減少させるプロジェクトを実施していたとのこと。このプロジェクトは「Iliad」と呼ばれており、内部文書にはAmazonが「Iliad」によってAmazonプライムの解約率を14%減少させたことも記されていました。



Amazonの広報責任者は「Amazonがダークパターンを使用している」という非難に対し、「Amazonのプロセスはシンプルで透明なものでユーザーに決定と選択を公然に示している」旨を回答しています。また、Amazonプライムの責任者であるジャミル・ガニ氏は、Amazonはむしろユーザーからのフィードバックに注意を払ってユーザー体験の向上に常に取り組んでいることを主張し、サブスク加入と解約はどちらも明確に行えるよう設計していると述べています。