レバノン・ベイルートの爆発被害を受けた地域で、首をつるされた政治家の絵と、アラビア語で「死刑」と書かれた壁画の前を歩く市民活動家ら(2020年8月7日撮影)。(c)PATRICK BAZ / AFP

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【AFP=時事】レバノンの首都ベイルートで発生した大爆発を受け、荒廃した地区を訪問しようとした閣僚2人が、現場でがれきを撤去するボランティアたちの怒りを買い、追い出される出来事があった。

 同国の多くの国民は以前から、汚職が横行し行政能力に欠けるとして政府に対し非難の声を上げていたが、4日に起きた爆発の衝撃によって怒りの矛先が政治階級に向けられている。

 そうした中、タレク・マジュズーブ(Tarek Majzoub)教育・高等教育相は7日、こうした認識を変えようと、廃虚と化したカランティーナ(Karantina)地区をほうきを手に訪問し、ガラスの破片などのがれきを掃き出していた人々の中に加わろうとした。

 だが「辞めろ!」「国民は体制の崩壊を望んでいる」「絞首台を用意しろ!」など、罵詈(ばり)雑言を浴びることになった。

 爆発の正確な原因は今も不明のままだが、市民を守ることができず、救済の対応も不十分だとして、一般の人々は堅固な政治階級を非難している。

 当局は、港湾地区の倉庫に長年放置されていた大量の硝酸アンモニウムの積み荷が何らかの理由で発火し、大爆発を招いたと説明している。

 6日には、港からわずか数百メートルの距離に位置し、大きな被害を受けたジュマイゼ(Gemmayzeh)地区で、マリークロード・ナジム(Marie-Claude Najm)法相が視察しようとしたものの、清掃作業に当たるボランティアの若者たちから「汚職相だ、法相ではない!」とチャント。

 ある女性は怒りで顔をゆがめながら、「少しでもが徳義あれば辞めるはずだ」と叫んだ。

 マジュズーブ氏とナジム氏は、今年1月に発足した新内閣で政権に加わり、政界ではまだ新入りだが、国民の怒りを免れることはできていない。

【翻訳編集】AFPBB News

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