カー用品店などの洗車グッズコーナーで、「水なし洗車」をうたった商品が見られます。都市部など、駐車環境で水を使いづらい人にとってはうれしい一方、クルマに傷がつく懸念も。どのような仕組みで汚れを落とすのでしょうか。

水なし洗車はシュッシュして拭き取るだけ 汚れ落ちコーティングまで

 2020年5月現在、新型コロナウイルスの影響による外出自粛が長引くなか、愛車の洗車に精を出す人も増えているようです。「出かけなくてもクルマは汚れますから、『洗車でもするか』といったSNS投稿も多く見られますね」と、カー用品店「オートバックス」を展開するオートバックスセブンはいい、洗車グッズを買い求める人も多いと話します。

 とはいえ、特に都市部などでは、洗車したくても水を思うように確保できない、あるいは水を使えないという場合もあるでしょう。そうしたユーザーに向け近年、「水なし洗車」をうたった洗剤などが増えているそうです。たとえば、車体にシュッシュと吹きかけてタオルで拭きとることで、汚れも落ち、撥水コーティング効果まで得られる、といったものもあります。


水なし洗車のイメージ(2020年5月、乗りものニュース編集部撮影)。

 確かに、水を使わなければ場所を選ばないうえ、洗車後の水が乾いてシミになる心配もなく、手間以外のメリットもありそうです。しかしながら、水で汚れを洗い流さずタオルで車体をこすれば、その汚れで車体に傷を付けてしまうことも考えられます。

 水なし洗車洗剤は、どのような仕組みで汚れを落とすのでしょうか。オートバックスセブンは次のように話します。

「かんたんに言うと、洗剤で細かい汚れを浮かせて、それをふき取るイメージです。しかし、もし水をかけられるならば、それに越したことはありません」(オートバックスセブン)

 酷く汚れている場合や、雨ジミなどの頑固な汚れは、これだけに頼らないほうがよいと話します。

水なし洗車 「傷がつく」懸念は拭えない?

 オートバックスセブンは水なし洗車グッズについて、確かに手軽でニーズが高い商品としつつも、やはり「傷がついた」という声はあるとのこと。商品そのものにも、「汚れがひどい場合は水洗いを」と注意書きがなされているものもあります。

「屋根のない屋外駐車場など、砂ぼこりが飛んでくるような環境に置かれたクルマへの使用は、特に注意が必要です。毛バタキなどで、車体に付着した汚れを大まかに落としてから使うほうがよいでしょう」(オートバックスセブン)


洗車機を利用するイメージ(画像:写真AC)。

 たとえば、月1回ほどの頻度で洗車機を利用し、そのあいだで雨が降った翌日などに水なし洗車洗剤を使うといった、ちょっとしたメンテナンスに有効だといいます。

 ちなみに、水を使う洗車グッズの売れ筋もオートバックスセブンへ聞いてみたところ、ホースの先端に取り付け、水とともに洗剤の泡が出る洗車ガンや、ボディとガラスをひとつで賄えるコーティング剤などが注目されているとのことでした。