“減る中国”、業績インパクトが大きい製造業は部品?自動車?素材?
【電機・電子部品】「リーマン・ショックに近い」
業績を下方修正した企業の中では、電機・電子産業が目立つ。
営業利益見通しなどを下方修正した三菱電機は、産業メカトロニクスや電子デバイス部門で中国向け需要が減少した。皮籠石斉(かわごいし・ただし)常務執行役は、中国市場で「設備投資の見合わせも重なってきている」と懸念する。
同じく営業利益見通しなどを引き下げたパナソニックも、中国向けスマホ製造設備用モーターやプラグインハイブリッド車(PHV)用車載電池、家電などの需要低迷が影響。シャープもスマホ市場の停滞と米中貿易摩擦の影響で、液晶パネルやセンサーなど電子部品の売り上げが低下し、通期見通しの2度目の下方修正を余儀なくされた。野村勝明副社長は、「19年1―3月期も電子部品の伸びは期待できない」と見ている。
また、自動車や家電向け機器など、中国での顧客の需要減と大規模な在庫調整などを理由に下方修正した日本電産の永守重信会長は、「18年11、12月は経験したことがない落ち込み。46年間経営をやってきて、こんなに落ちたのは初めてだ」としたうえで、中国経済がさらに悪化すれば「リーマン(・ショック)に近い状況に世界経済が陥る。甘く見てはいけない」と警戒する。
【自動車】「長い目でみれば成長市場」
中国は18年の新車販売台数で28年ぶりの前年割れとなるなど、自動車市場の先行きも不透明だ。
日産自動車は米中市場で販売減を見込み、売上高や営業利益などのほか、中国での販売台数見通しも下方修正している。西川広人社長は「中国は少し踊り場」としつつ、「長い目でみれば成長市場」との見方は変えていないものの、当面は厳しい状況が続きそうだ。
また、デンソーは中国での市場減速や原材料費の悪化などを要因に下方修正。特に中国内陸の都市部で現地車メーカーや米フォードモーターの販売減が響いているという。松井靖常務役員は「中国の減速が顕在化した」と話す。
2度目の下方修正を発表したアイシン精機は、中国で現地や欧州メーカーの減速を受けて、変速機の販売台数予想を引き下げた。ジェイテクトは電動パワーステアリング(EPS)の採算改善遅れや、中国でのステアリング(操舵装置)販売減などを受けて下方修正。「中国地場メーカー中心に影響を受けている」(高橋伴和専務)。
【素材】「19年度後半以降に回復」
中国での半導体やスマホ市場の失速は素材関連の業績にも影響を与えている。
神戸製鋼所は、中国などでのアルミニウム製の板材の販売数量減などを理由に下方修正。UACJも、中国などでの半導体や液晶製造装置用のアルミ厚板のほか、パソコンなどIT機器向けのアルミ板の販売も予想を下回りそうだ。三菱マテリアルは、中国向けの半導体関連材料の販売減などを反映して下方修正した。
ただ、半導体分野は調整局面が継続するものの、「19年度後半以降に回復しそうだ」(神鋼の勝川四志彦取締役専務執行役員)と見込む。
