カバーニとは、ウルグアイ代表で良い関係性を築いていたフォルラン。それだけにリスペクトに欠けるネイマールの行動が許せなかったのだろう。 (C) Getty Images

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 2億2200万ユーロ(約284億円)の史上最高額でバルセロナからブラジル代表FWネイマールを引き抜いたパリ・サンジェルマンだが、早くも不穏な空気が漂っている。
 
 現地時間9月17日に行なわれたリーグ・アン第6節のリヨン戦で、FKやPKのキッカーを巡り、そのネイマールとエディンソン・カバーニが衝突したからだ。
 
 ズラタン・イブラヒモビッチ(現マンチェスター・ユナイテッド)が去り、ようやくエースの座を手に入れたカバーニと、新たなスーパースターとして迎え入れられたネイマールの対立は耳目を引いた。両者はロッカールームでも一触即発となり、主将チアゴ・シウバらが間に入って辛うじて収まったとの噂も出回っている。
 
 フランスの複数メディアでは、ネイマールがクラブにカバーニ放出を求め、SNSでフォローを解除したとも報道された。ダニエウ・アウベスがFK際にカバーニからボールを奪い、そのままネイマールに手渡す場面もあり、一部では「ブラジル派閥」の存在も取り沙汰されている。
 
 一方で、カバーニを後押しする声もある。かつてウルグアイ代表でコンビを組んできたディエゴ・フォルランは、母国メディアで「(カバーニは)リスペクトに値するはずだ」とネイマールに苦言を呈した。
 
「彼は長年に渡ってパリSGでゴールを決め、PKも任されてきた。ネイマールはもっと敬意を払うべきだ。もし、(リオネル・)メッシだったら彼は同じことをしなかったはずだ。まるで子供みたいだった」
 
 さらにフォルランは、「ネイマールとカバーニの問題であり、どのチームでもこういうことはある。ただ、道理にかなわないのは、アウベスがしたことだ」と、カバーニにボールを渡そうとしなかったブラジル代表SBの行為を批判した。
 
 また、試合後に「(両選手が)話し合って決めてほしい」と話していたウナイ・エメリ監督についても、フォルランは「監督がキッカーを決めれば問題にならないのは当然だ。そのための監督じゃないのか?」と、スペイン人指揮官の無責任さについても言及している。
 
 今夏はネイマールやD・アウベスに加えて、モナコからフランス代表の神童キリアン・エムバペも獲得するなど、悲願のチャンピオンズ・リーグ制覇に向けて大型補強に動いたパリSG。だが、チームの顔となるスターたちの関係が崩れれば、欧州制覇は夢のまた夢となる。
 
 はたして、クラブと指揮官は、両エース間に生じた問題をどのように解決するのだろうか?