iPhoneと眼鏡でランニングのフォームとペースを改善！ 質の高い走りを可視化で教える新システム
人は、歳を重ねるごとに新陳代謝が低くなるため、同じ生活をしていても、誰しも太りやすくなるらしい。こうした加齢による肥満を解消するには、規則正しい生活とバランスのとれた食事は当然だが、なにより適度な運動が必要とされている。
適度な運動の代表として挙げられるのが「ランニング」だ。
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」（1998〜2014）によると、近年、日本のランニング人口は増加傾向にあという。なんと、その数は1,000万人にも上るという。
ランニングをする人の裾野が広がったことにより、ランニングアイテムやトレーニングメソッドも多様化している。そして、効率的な体の使い方やケガをしない走り方といったランニングの「質」を高めたいというニーズが増加している。
そうした運動ニーズにあわせて、IT分野でも、スマートリストバンドやスマートウォッチなど、活動計をサポートした機器の注目が集まっている。
しかし、現在のウエアラブルやアプリケーションは、距離・タイム・消費カロリーといった走りの「量」的な情報を記録するだけに留まっていた。
この問題を解消する新しいランニングアプリケーション「JINS MEME RUN（ラン）」が開始された。
「JINS MEME RUN」は、スポーツシーンに特化したセンシング・アイウエア「JINS MEME MT（ジンズ・ミーム・エムティ）」の公式アプリ。
当初は、iPhone向けだけだが、Androidスマホ向けアプリも2016年1月に提供される予定。
■iPhoneでランニングフォームを確認
「JINS MEME RUN」は、ランニングの「質」を可視化する無料のiPhoneアプリ。
別売のメガネ型センシング・アイウエア「JINS MEME MT」とあわせて利用する。
「JINS MEME MT」には、2つのセンサーが搭載されている。
・3点式眼電位センサー
・6軸センサー（加速度・ジャイロセンサー）
このセンサーで、ランナーから取得したデータをiPhoneに送り、アプリ上で可視化させるのだ。
アプリで、目標やロケーション（屋外／屋内）を設定すると、走りのバランスを頭上からのアングルで可視化してくれる。
バランスが崩れると、目標範囲からはみ出した部分が赤く表示され、音声のアラートも通知される。フォームとペースが崩れると、ブレイクポイントもアラート通知してくれるのだ。
結果画面では、スタートから終了までのランニングの経過を振り返ることができる。
これにより、いつ、どこでフォームやペースが崩れたかを確認できるというわけだ。
またアプリは、走りのフォームやペースを崩さないためのトレーニングについても教えてくれる。
体感トレーニングアプリ「JINS MEME CORE TRAINING」と組み合わせれば、より具体的なトレーニング方法やプランの提案もしてくれる。
手軽にランニングの「質」を向上できるシステムだが、一つ難点を挙げれば、別売の「JINS MEME MT」が1万9,000円（税別）と、それなりの出費がかかる点だろう。
とはいえ、スポーツサングラスフレームに高性能センサーを搭載しているので仕方のないところではある。ただ、スポーツジムに通ったり、専属トレーナーを付けたりするよりは、安く、手間もかからないと考えれば、十分、検討の余地はあるだろう。
ITライフハック 関口哲司
