「あの女だけは信用できない」

 女優・水野美紀に対して、かつての所属事務所の社長は名指しで批判したこともあった。芸能界きっての大手に属し、メガヒットの「踊る大捜査線」を筆頭に順調な女優人生だったが、やや強引な独立劇がすべての歯車を変えた。

「巨大な事務所といえど、女優で成果を上げたのは数えるほど。その中にあって水野の芝居への取り組みは、社長にとっても評価が高かった」(制作会社プロデューサー)

 そこまで溺愛されていながら独立したため、冒頭のような辛口の弁になってしまったのだ。代表作の「踊る〜」の映画化第3弾ではレギュラーを外され、後輩の内田有紀に取って代わられる始末。ようやく手にした仕事は園子温監督の「恋の罪」で体当たり演技を見せたくらい。

 もはや第一線への復帰はかなわないかと思われたが――、

「あるパーティで偶然に元の社長と再会したんですよ。水野が詫びを入れたことで社長の許しを得たばかりか、傘下の事務所と“業務提携”を結んだことで仕事の風通しも良くなった」(広告代理店プランナー)

 懸案だった「踊る〜」の最終作にも復帰を果たし、今年に入っては昼ドラ主演などメジャーな活躍が続く。空白の数年間は、ただただムダだった!?