W杯アジア3次予選に出場する日本代表メンバーが発表された。右肩の脱臼からの復帰を目指す長友は外れたが、海外組が順当に選出され、トピックスといえば中村憲の復帰と原口の選出だろうね。

原口には期待しているが、3人交代枠のオフィシャルマッチでは、なかなか出番は訪れないだろう。序列は森本と同じか、その次になる。3−0の快勝を収めた日韓戦に先発したメンバーが主で、あとはそのバックアップという位置づけになる。

先日のコラムでも述べたが、僕はその日韓戦での3−0勝利が逆に気がかりだ。シリアが出場停止で代わりにタジキスタンが入り、グループはさらに楽になったとの見方が強い。ザッケローニ監督は日本をW杯に連れていくことが最大の目標だと強調したが、多くの日本人の中で、予選で敗退するという想像をしている人は少ないだろうね。
さらに、初戦は“格下”と目される北朝鮮との試合だ。こうした状況下、勝って当たり前という空気もある中で、初戦の入り方はとりわけ重要になる。もちろん、普通にやれば日本のほうが力があることは明白だ。しかし問題はメンタルの部分だ。気負いすぎて空回りしては相手の思うツボになってしまう。自分たちを見失わず、いかに大人のサッカーができるかが、勝負の分かれ目になるだろう。

韓国戦での快勝で、各国の日本への対策はさらに緻密なものになることが予想される。アジア王者、そして実力のある国として迎えるW杯予選は、相手の力いかんにかかわらず、日本代表の真価が問われる舞台となる。しかし、こうした重圧をはねぬけてこその、本大会での躍進だ。観戦する我々の側も、心して初戦を迎えようじゃないか。