画像提供/株式会社ユニフォ

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 学生時代、放課後に教室の窓から校庭を見下ろすと、ユニフォームを着用した野球部員たちが練習に励んでいたものである。毎日飽きもせず、延々とバッドを振り続け、ボールを投げ続け、坊主頭を保ち続ける彼ら・・・って、そういえば、なんで野球部員って全員坊主なの? 疑問を感じたこと、皆さんはありませんか?

 中学、高校と一貫して野球部に所属していた知人に尋ねてみたところ、「規則はなかったけれど、ただなんとなく坊主」とのこと。どうやら野球部という団体は、所属するとなんとなく坊主頭にしたくなるらしい。しかし、実践するからには、やはりそれなりのメリットがあるのではないだろうか? そう思い、東京都高等学校野球連盟に問い合わせてみた。

 単刀直入にお聞きしますが、なぜ野球部員は全員坊主なんですか?

 「そんなことないですよ。40年前は確かに全員が丸坊主でしたが、最近では長髪の野球部員もいるんです」(東京都高等学校野球連盟・職員)

 えっ!? そうなんですか?

 「はい。25、6年前くらいからですかね。最初は五分刈りがチラホラと現れ始めて、そこから段々と伸びる傾向に(笑)。 もっとも、比率的には坊主の方が圧倒的に多いですけれど」(同)

 野球部員にとって、坊主にすることのメリットって何かあるんですか?

 「頭部に付着した汗や泥がサッと洗い流せることじゃないですか。あとは経済的問題。坊主は美容院などに行かなくて済むので、非常にリーズナブルですからね。野球部員はアルバイトをする暇もあまりありませんし」(同)

 おおお! 坊主ってば衛生面でも経済面でも優秀な、まさに万能ヘアだったわけである。なんだか私も坊主にしたくなってきたぞ!

 しかし、前述の通り、「野球部員=坊主」というスタイルは年々失われつつある。「坊主にするなら入部しない」と主張する学生の増加もあって、無理に坊主を強制する団体も少なくなってきたのだとか。長髪の高校球児がおなじみになる日も、そう遠くはないかもしれない。(安田明洋/verb)