――「フライングヒューマノイド」に“十年先の未来”という歌詞がありますが、今5周年イヤーに突入されて“十年先の未来”を想像できますか?

中川:十年前の自分に教えたいことだらけのこの丸4年だったんですけど、十年ってあっという間だし、根本は何も変わってない自分がいて。性格や色んなことが変わってないけど、新たに増えたことが数え切れないぐらいあって。だから、十年後もまだ毎日「やっとここから」って、すごく思ってるだろうなって。出来れば毎年コンサートをやれてたらいいなと思うんですけど、恐ろしいからあまり考えたくないですね(笑)。「いつ何が起こるか分からない」という気持ちでいないと、「まだ十年あるし」とか思っちゃうと、本当にどうなるか分かんないから、とりあえず焦っておこうと思います。ただ、自分のアニソンのストックは増えてればいいなと思います。

――「空色デイズ」はロックに初挑戦した曲でしたが、ロックだったりライブで盛り上がるような曲は得意になりましたか?

中川:むしろ、いっぱい欲しいと思っちゃってますね(笑)。A面が結構しっとりした曲が続いてたので、「是非、A面で明るいロックをやりたい」という気持ちがずっとあって。ディレクターさんに「もっと激しい、格好いいロックも歌えるようになりたいです!」みたいに言ったら、「えっ!?」とか言われちゃって(笑)。自分がどこまで出来るのか、まだ自分でも分かってなくて。でも「やりたい」という気持ちが先行している感じなので。それが叶ったという意味でも嬉しいです。

「空色デイズ」以来のアニメのオープニングだし、5周年目にピッタリの明るいロックで。この曲に出会えたのがすごく嬉しいから、早くライブなどみんなの前で沢山歌えたらいいなって思います。「空色デイズ」も他の曲も全部そうなんですけど、レコーディングの瞬間じゃなくて、その後コンサートで歌って、その空気だったり気持ちだったりみんなの表情だったりで育っていくんだなってすごく思うので。この曲もそうなんじゃないかなって思います。タイトルはオカルト用語でビックリするかもしれないんですけど、メチャメチャ爽やかなので、この夏と幕張のテンションにピッタリだなって思います。

――ライブでは20〜30曲ぐらい、ロックで盛り上がる曲もあれば、しっとりと聴かせる曲もありますが、特に好きなのはどんな曲ですか?

中川:やっぱり楽しいのはロックなのかな? 確かに「空色デイズ」のレコーディングの日に比べると、信じられない心境の変化ですけど(笑)。

――「千の言葉と二人の秘密」は、ドラマ「恋の正しい方法は設計図にも載ってない」の主題歌にもなっていますが、初の主演を務められてみて如何でしたか?

中川:突然「1週間後から撮影です」って、監督とお会いして、台本を見せて頂いて、「えっ?」って言う間も無い感じで。演技自体は何度かやらせて頂いてるんですけど、「最後に演技してから何年経ってるんだ?」ってぐらいだし(笑)。主演という意味で、台詞も「ひも理論」とか「世界の終わり」とか結構難しい言葉がボンボン出てきて。本当に「ひも理論」は毎日のように考えてることでもあるんですけど、それを自然に言うってどういうこと? しかも恋愛って、プライベートでも仕事でも全然、恋愛のれの字も無いぐらいなので「マジかよ!?」みたいな(笑)。いきなりハードル高いと思ったんですけど。

もう初日に図書館で撮影で、監督さんの作り出す世界だったり風だったり空だったりで、「そっか!」ってどんどんなっていって。撮影期間は短かったけど、終わってからも主人公のモードが抜けなくて。余計なことを考えずに、そのままこの歌を歌わせて頂けたので良かったなと思います。まず「千の言葉と二人の秘密」というタイトルを気に入って、当日にタイトルと歌詞が変わりそうになったので、主人公は泉ちゃんっていうんですけど、「嫌です!泉ちゃんはこっちがいいって言ってます!」みたいにメチャクチャ言って。それを勝ち取ったので良かったなと思います(笑)。