コンプライアンスやガバナンスの仕事をしていると、白黒を決められない瞬間がいたるところにあって、決めない方が良いこともあります。
使命感も風評（人気の裏返し）もあらゆるものがリスクに変化してしまう時代の「引き気味」の大切さについて。

まずは概略から。後半は、やや引き気味で働くポイントを。

コンプライアンスは、日本では「法令遵守」という表現に置き換えられているのですが、それは日本の法律が法令で定めていないことをやってはいけないという基本方針を持っているからで、結果として「法令を守ればよいといった考え方」になってしまっているように感じます。

契約社会の欧米では、法令で禁止されていることはやってはいけないのですが、法令で書かれていないものはやってもよく、もし紛争になれば裁判所が判断を行いますので、法令だけを遵守しても社会は回らないことから文化尊重や倫理観などを含めてコンプライアンスとしているようです。

さて、最近のコンプライアンス事案といえば、日本の自動車メーカーでしょうか。

今年に入って、相当数のリコールが日本と米国の自動車業界各社で実施されていますが、なぜか1社集中で叩かれている状況です。

リコール問題が起こっていて、技術的な問題が指摘されているのにも関わらず、技術担当役員ではなく代表取締役が話をしなければならなかったり（死亡事故への謝罪と技術問題の報告が混同しており…）、通常公聴会や記者会見に出る場合はマスコミ出身のアドバイザーを付けるのですが、そのような準備を感じさせない対応など、不思議なことばかりです（風評対策実務を提供している立場からすると今回の対応は後々早期回復にプラスになると思われますが…）。

また、ガバナンスと言えば、ITに強い大手メーカーの社長解任劇ですね。


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