今回のプレミア12でもチアとしてスタンドで応援するぺ・スヒョンさん【写真:羽鳥慶太】

写真拡大

台北ドームの日韓戦、一塁側ベンチ上で舞ったぺ・スヒョンさん

 野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は15日、台湾・台北ドームでオープニングラウンド・グループBの日韓戦を行い、侍ジャパンが6-3で勝利した。一塁側スタンドを埋めた韓国のファンをリードしたのが、本国から派遣されたチアリーダーだ。今回台湾を訪れたメンバーは、韓国プロ野球各球団の精鋭揃い。中でもぺ・スヒョンさんは、実にデビュー22年目という伝説のチアだ。すっかり韓国プロ野球の名物となった応援文化を作ってきた彼女の「応援論」を聞いた。

 台北ドームが韓国の野球ファンにジャックされた。一塁側のベンチ上で応援をリードしたのは、韓国から派遣された精鋭チアリーダーたち。その中でぺ・スヒョンさんは、普段は韓国プロ野球のSSGを応援しており、2003年のデビュー以来実に、プロ野球チア歴22年目。40歳になった今も美貌とプロポーションを保ち続ける伝説のチアだ。

 韓国プロ野球では1990年代からチアリーダーによる応援が主流となっていたが、それぞれにファンがついたり、アイドル級の人気を誇るまでになったのはここ15年ほどの話。ぺ・スヒョンさんはその歴史の第一線を駆け抜けてきた。今や台湾や日本と、アジア各国のプロ野球にはチアリーダーが欠かせない存在となっている。

 ぺ・スヒョンさんは韓国の応援スタイルについて「私はメジャーリーグも見ましたし、日本の野球場にも行ったことがありますが、韓国の応援は世界のどこにもない文化だと思っています」と力説する。アジア各国を中心に、他国からも注目されるようになったことに「おかげで多くの方に関心を持っていただけるようになりましたし、各球団に有名なチアがいるようになりました。チアという職業に対する認識も変わってきたと思います」と喜びを感じている。さらに、アジア各国のプロ野球チアと、韓国のチアには決定的な違いがあるという。

「日本にもチアリーダーがいることは知っていましたが、少し意味が違うのかなと思っています。私たちは文字どおりチアリーダー。応援をリードする役割です。ファンと選手をつなぐことで、チームの勝利にも寄与できると思っているんです」

 自分たちはチームの勝利のために声を出し、舞う。そんな強い自負が言葉の端々からうかがえた。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)