為替相場まとめ11月11日から11月15日の週
(12日)
東京市場では、米中関係リスク警戒が意識された。ドル円は利益確定売りで153.40近辺まで下落も、すぐに反発。トランプラリー再燃が強く意識される中、154.06近辺まで高値を伸ばした。しかし、トランプ次期政権が国務長官に対中強硬派の筆頭格として知られるルビオ上院議員を指名するとの見通しが報じられたことなどで、市場の警戒感が高まった。ドル円は153.41近辺まで下落した。ユーロ円は一時164円台乗せも163.25近辺まで下げた。ユーロドルも連れ安となり、1.0663から1.0632まで下げた。対中関係のリスクに反応しやすい豪ドルは対ドルで午前の0.6582近辺から午後に0.6547近辺まで下落。人民元安も進行している。
ロンドン市場は、ドル買いの流れが継続。東京市場ではトランプ次期米政権の人事が対中強硬派に傾いたことで警戒感が広がり、円買いの動きが中心となっていた。しかし、ロンドン時間に入ると米債利回りの上昇とともにドル買いの動きが前面に押し出されている。ドル円は東京午前の高値を上回る154.17近辺に高値を伸ばした。ユーロドルは1.06台前半、ポンドドルは1.28台割れまで一時下落した。ポンド相場にとっては英ILO失業率が4.3%と前回の4.0%から上昇したことが売りを誘う面もあった。ただ、その後はポンドドルが下げ渋ったのに対して、ユーロドルは引き続き軟調となっている。ユーロにとっては独ZEW景況感指数が7.4と前回の13.1から大きく低下したことや、ドイツ政局の混迷などの悪材料も指摘される。この日は欧州株や米株先物・時間外取引がマイナス圏で推移しており、前日の米主要3株価指数が最高値を更新した後で調整が入っている。トランプ政策の負の面もでてきているが、引き続き根強いドル高圧力が観測されている。
NY市場では、ドル買いが強まった。ドル円は一気に155円を試す展開も見られた。本日も為替市場はトランプトレードが続いており、休日明けの米国債利回りも上昇する中、ドル円は一気に上値を駆け上がった。200日線の上をしっかりと維持し、9月中旬からのリバウンド相場を堅持。目先は155円を突破し、155-160円のゾーンにレベルシフトできるか注目される。FRBの利下げ期待が後退していこともドルを後押し。12月FOMCについて短期金融市場では米大統領選前の80%程度から足元では65%程度の確率で利下げを見込んでいる。ユーロドルは一時1.06ドルを割り込む場面が見られた。4月につけた年初来安値を更新している。先週の米大統領選の結果を受けてストラテジストからは、ユーロの見通しの下方修正が相次いでいる。ユーロドルの新たな見解としてパリティ(1.00ドル)に向かって下落するとの声も出始めている状況。ポンドドルも一時1.27台前半まで下げ幅を拡大。ただ、英中銀は先週の金融政策委員会(MPC)で早期の追加利下げに慎重姿勢も垣間見せ、市場では12月は据え置きとの見方が広がっている。
(13日)
東京市場では、ドル高の流れが継続。ドル円は昨日の海外市場で155円を付けられなかったことで、朝方は154.50近くまで反落も。トランプ次期大統領が国家安全保障担当補佐官に起用を予定しているウォルツ下院議員が「トランプ新政権は敵国と対峙することを恐れない」とタカ派発言を行ったことや、国防長官にFOXのキャスターであるヘグセス氏の起用を発表したことなどがリスク警戒につながる面もあった。しかし、すぐにドル買い優勢に転じた。155円の大台を超えて155.14近辺まで買われた。ユーロ円は164円台前半推移から164.60前後まで上昇。ドル円の上昇が支えとなった。ユーロドルは1.06台割れを試す動き。ポンドドルは1.2730付近と上値重く推移。