パリ五輪で主将を担った藤田。次に代表で目ざす大舞台はW杯だ。(C)SOCCER DIGEST

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[北中米W杯アジア最終予選]日本 1−1 オーストラリア/10月15日/埼玉スタジアム2002

 今夏のパリ五輪でU-23日本代表の主将を務めた藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)が、久々にA代表に選出された。横浜F・マリノスに在籍していた2022年7月のE-1選手権以来、約2年ぶりだ。なお、当時は国内組での編成だったため、実質初のA代表と言える。

 ただ、遠藤航と守田英正が鉄板のレギュラーで、田中碧が3番手というボランチ争いにおいて、牙城を崩せず、出場機会無しに終わった。

 それでも、オウンゴールで先制を許した後、オウンゴールで点を奪い返し、1−1で引き分けたオーストラリア戦では、遠藤が体調不良で欠場するなか、背番号6を与えられ、ベンチ入りを果たした。

 試合後に取材に応じた藤田は、「最終予選でベンチ入りした事実は一歩前進と言える?」と問われ、「正直、ハプニングで入ったところもあるけど...プラスに捉えてもいいと思うけど、足元を見つつ、自チームに帰ってからしっかり基準を忘れずにやっていきたい」と回答。そのうえで、出場機会確保に向けて、こう決意を示した。

「自分個人としてはやっぱ、インテンシティの高さだったりをもっと意識してやっていかないといけない。そのインテンシティの高い中で、ミスの少ないプレーを求めてやっていけたらと思う」
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 昨夏に横浜からベルギーに渡り、1年が経った。海外で屈強な選手たちとしのぎを削るなか、成長を実感している部分はあるのか。

「強度のところはやっぱ成長していると思う。個人個人での戦い、デュエルで負けないようになってきていると思うけど、もっと上のレベルでやった時にどうなるかのはまだ分からないので、そういうところはもっと突き詰めてやっていきたい」

 22歳のMFは先日、多くの東京五輪世代が森保ジャパンの主力を担う現状に触れ、「そこに食い込んでこそパリ五輪が意味あるものになると思う。自分たちの世代ももっと頑張ってどんどん上を脅かす存在になれたらいいな」と思いを口にしていた。

 招集メンバー入り→ベンチ入り→スタメン入りと定着の度合いを上げていき、2年後の北中米ワールドカップのピッチに立てるか。準々決勝敗退で終わったパリ五輪の悔しさは、世界大会で晴らしたい。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)