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 元AKB48で女優の入山杏奈(28)が2022年にグループを卒業して以降、初めてドラマ出演する。10月5日スタートの日本テレビ「潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官」(土曜後10・00)で、オファーを受けた時の心境を「やっと!という気持ちでした」と明かした。

 ダブル主演の竜星涼(31)と八木莉可子(23)扮する兄妹が特殊詐欺組織に潜入する物語。入山は組織内のメンバーに指示するチームリーダー(ハコ長)を演じる。昨年、出演舞台を観賞したという尾上貴洋プロデューサーは「りんとした雰囲気の裏に、陰や悲しみを秘めた表情を持つ印象を受けた」と振り返り「(演じる役柄の)りりしく指揮しながらも、その裏に悲しさや弱さを秘めた人物像にピッタリ」と起用理由を語った。

 以前から女優業には強い思いがあった。初出演映画「青鬼」(14年)と初舞台「歌姫」(16年)で役になりきる楽しさに魅せられたという。AKBの一員として活躍していた18年には、メキシコのドラマに出演するために留学。異国の地で演技の実力を磨いた。「言葉もまだ分からないのに台本が前日に来るんですよ。頭がパンクして逃げ出したことも一度ありました。でもおかげでせりふ覚えが早くなりました」。女優業の魅力を「普段、爆発することがない感情を大きく表現できる。役にのめり込めるのが楽しい」と表現した。

 今作の役柄を「アイドルとは対極」と位置づけ「パブリックイメージとちょっと違う部分を見せられたら」と意気込む。グループ卒業後1年間は主にメキシコを拠点にしてきたため、日本での活動は少なかった。「ここからどんどん日本での仕事をできたら」。今作を機に女優・入山杏奈としての道をさらに突き進んでいく。(山内 健司)

 ≪野呂佳代から刺激≫同じ事務所の先輩には、現在女優として引っ張りだこの野呂佳代(40)がいる。12年のSDN48卒業後、当初はバラエティーを中心に活躍していたが、最近はバイプレーヤーとして存在感を発揮。NHK大河ドラマ「光る君へ」やTBS「西園寺さんは家事をしない」など注目作に立て続けに出演し話題になっている。入山は「野呂さんにしかできない役をいつもやられていて、キャラを確立できることは簡単ではない」とし「自分には絶対できない。刺激になっています」と話した。

 ◇入山 杏奈(いりやま・あんな)1995年(平7)12月3日生まれ、千葉県出身の28歳。10年にAKB48の10期生オーディションに合格し12年5月に初めて選抜メンバー入り。22年に卒業。特技はスペイン語でDELEスペイン語検定B1の資格を持つ。趣味はアニメ観賞、フルート、料理。1メートル60、血液型B。