再起に“怒りの意欲” 井上尚弥戦の敗北にフルトンは何を感じていたのか「俺は自分自身を見直さなければならなかった」
井上戦以来となる試合に挑むフルトン。(C)Getty Images
ボクシングの前WBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)が、ショッキングな敗北からカムバックを果たす。
【動画】フルトンもタジタジ 井上尚弥が世界に見せつけた衝撃のKOシーンをチェック
現地時間9月14日に米ラスベガスのT-モバイルアリーナで行われるフェザー級10回戦で、フルトンはWBC5位のカルロス・カストロ(米国)と対戦する。13日には前日計量に臨み、フルトンはリミット126ポンド(約57.15キロ)で危なげなくクリア。昨年7月に井上尚弥(大橋)に8回TKO負けを喫して以来、1年2か月ぶりの再起戦に向けて準備を整えた。
井上戦後に正式転向したフェザー級で、フルトンは世界ランキングでWBA2位を筆頭にWBC7位、WBO8位と上位にランクイン。将来的なタイトルマッチも見据える中で「会場の雰囲気を楽しみ、復帰を楽しみたい」というこのカストロとのマッチアップは、新階級での試金石となる一戦だ。
井上に敗れる前までは、“難攻不落の王者”と呼ばれたフルトン。結果的に8回TKOで制したモンスターの破壊力が証明され、日本でも大いに話題を集めた一戦を米老舗誌『The Ring』で「もっと準備しておけば良かった」と振り返る30歳は、再起に向けた想いを強くする。
「あの日、あの瞬間に、ベストの状態でいられなかった自分にムカついた。俺がイノウエに勝てたとか、負けたとか言っているわけじゃない。ベストの自分の方が、あの時の自分のパフォーマンスよりも優れていたと思うんだ。それが腹立たしいのさ。俺は自分自身を見直さなければならなかった。多くを学び、プロとして、また個人的にも自分を磨く必要がある」
フェザー級でも世界王者となれば、26年以降のフェザー転級を示唆している井上との再戦の可能性もゼロではない。その日が来れば、ボクシング・ファンにとっては、実に興味深いマッチメイクとなる。
そんな夢のリマッチについて「俺がこの階級でベルトを獲ったらありえるかもな」と語るフルトン。まずは目下、3連勝中の実力派カストロをしっかりと叩きたいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]