「俺は1敗しただけ」再起戦の“扱い”に苛立ち フルトンが井上尚弥戦からの復活を誓う「エリートだってことに変わりはない」
井上に敗れてから1年2か月ぶりのリングに立つフルトン。(C)Getty Images
王座陥落から約1年2か月。ボクシングの前WBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)は紆余曲折を経て、ようやくリングに舞い戻る。
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現地時間9月14日に米ラスベガスのT-モバイルアリーナで行われるフェザー級10回戦で、フルトンはWBC5位のカルロス・カストロ(米国)と対戦する。昨年7月に現スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)に8回TKO負け。2団体防衛を果たせなかった30歳にとっては、階級を新たにしての再起戦だ。
6月にルイス・レイナルド・ヌニェス(ドミニカ)戦が、8月にロニー・リオス(アメリカ)戦が、それぞれ浮上しては立ち消えに。なかなかマッチメイクが進まない中でようやくカストロ戦が決まった。フルトンはモチベーションの維持、さらにはコンディション作りで難しいタスクを強いられたが、それでも井上に完敗を喫した悪夢を払拭するべく闘志は満々だ。
もっとも、自分の“扱い”には苛立ちを隠せない。試合を目前にして米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』のインタビューに応じたフルトンは、カストロ戦が興行のメインカードから外れた件に関して「何も思わないかと言われれば嘘になる。こんなこと人生で初めてだ。意味が分からない。プレリムに出場したことは一度もないのに、俺は1敗しただけでそうなったんだ。無礼としか思えない」と訴えた。
ただ、そこまで豪語する理由は再起に自信があるからに他ならない。「前の試合は負けたけど、俺がエリートだってことに変わりはない。今は良い状態にあるんだ」とフェザー転級後初の一戦に向けた意気込みを口にしている。
「(井上戦は)やりたいことができなかったんだ。体重戻しとかで色々とあって、思い通りにいかなかったんだ。でも、もう一度ベルトを獲りたいね。この試合で何かを証明したり、そういうことをする必要はないと思ってる。ただ戦って、自分の感覚を確かめて、会場の雰囲気を楽しみ、復帰を楽しみたいんだ」
新階級でのチャレンジに沸々と闘志を燃やすフルトン。将来的な井上との再戦も視野に入れる30歳のリスタートは大いに注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]