【投資部門別売買動向】海外勢が8235億円と大きく売り越す一方、個人や事業法人、信託銀は買い越す (9月第1週)
●海外勢が8235億円と大きく売り越す一方、個人や事業法人、信託銀は買い越す
東証が12日に発表した9月第1週(2日~6日)の投資部門別売買動向(現物)によると、米景気後退懸念と為替の円高進行が嫌気され、日経平均株価が前週末比2256円安の3万6391円と4週ぶりに急反落したこの週は、海外投資家が3週連続で売り越した。売越額は8235億円と前週の2451億円から急拡大して昨年9月第3週以来およそ11ヵ月半ぶりの大きさだった。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で3週連続の買い越しとなった。買越額は596億円と前週の105億円から増加した。現物と先物の合算では3週連続で売り越し、売越額は7639億円だった。証券会社の自己売買は3週ぶりに売り越し、売越額は2538億円だった。
一方、個人投資家は5週ぶりに買い越し、買越額は4672億円と7月5週以来およそ1ヵ月ぶりの大きさだった。前週は1106億円の売り越しだった。相場が急落する中、逆張り志向の強い個人は買い向かった格好だ。自社株買いが中心とみられる事業法人は10週連続で買い越し、買越額は3544億円と前週の1900億円から拡大した。年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行も7週連続で買い越し、買越額は1500億円と前週の2074億円から縮小した。
日経平均が4週ぶりに急反落する中、海外投資家が8235億円と大きく売り越す一方、個人投資家や事業法人、信託銀行は買い越した。
■投資部門別売買代金差額 (9月2日~6日)
東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
9月 ―――
第1週 ▲8,235 1,500 4,672 [ 1,973 2,698 ] 36,391円 ( -2256 円)
8月 ―――
第4週 ▲2,451 2,074 ▲1,106 [ ▲1,839 732 ] 38,647円 ( +283 円)
第3週 ▲3,988 1,347 ▲366 [ ▲1,855 1,488 ] 38,364円 ( +301 円)
第2週 1,872 291 ▲4,041 [ ▲3,112 ▲928 ] 38,062円 ( +3037 円)
第1週 4,953 2,171 ▲553 [ 3,027 ▲3,581 ] 35,025円 ( -884 円)
7月 ―――
第5週 ▲5,524 239 4,817 [ 3,143 1,673 ] 35,909円 ( -1757 円)
第4週 ▲5,659 256 5,050 [ 2,753 2,297 ] 37,667円 ( -2396 円)
第3週 ▲2,459 ▲257 2,512 [ ▲6 2,518 ] 40,063円 ( -1126 円)
第2週 1,288 ▲733 ▲773 [ ▲2,763 1,989 ] 41,190円 ( +278 円)
第1週 1,836 518 ▲4,966 [ ▲5,110 143 ] 40,912円 ( +1329 円)
6月 ―――
第4週 1,239 15 ▲4,885 [ ▲3,839 ▲1,046 ] 39,583円 ( +986 円)
第3週 ▲213 ▲1,914 1,899 [ 358 1,541 ] 38,596円 ( -218 円)
第2週 ▲2,494 1,562 853 [ ▲231 1,085 ] 38,814円 ( +130 円)
第1週 ▲1,986 ▲1,304 2,861 [ 354 2,507 ] 38,683円 ( +196 円)
5月 ―――
第5週 ▲1,126 ▲1,676 ▲887 [ ▲1,394 506 ] 38,487円 ( -158 円)
第4週 ▲1,139 ▲145 816 [ ▲711 1,527 ] 38,646円 ( -141 円)
第3週 383 472 ▲1,204 [ ▲1,964 759 ] 38,787円 ( +558 円)
第2週 2,636 89 ▲406 [ ▲1,121 714 ] 38,229円 ( -6 円)
第1週 1,745 247 ▲2,741 [ ▲2,537 ▲203 ] 38,236円 ( +301 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース