森保Jへ“卑劣な中東マナー”…レーザー攻撃、国歌ブーイングの洗礼でも示した貫禄
敵地バーレーンで洗礼を受けた
森保一監督率いる日本代表は9月10日、アウェーで北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でバーレーンと対戦し、5-0の勝利を収めた。
7-0で圧勝した中国戦に続いて連勝スタート。中東の“洗礼”でレーザー光線が当てられるも、選手は意に介さなかった。現地では完全アウェーの異様な雰囲気だったが、アジアカップで圧倒された“声援”にもひるまず。アジアで戦ううえで貫禄を示した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
◇ ◇ ◇
2万人超えの完全アウェー。国歌斉唱の場面では君が代に対して正々堂々と戦う場にふさわしくないブーイングが降り注いだり、35度以上の酷暑、深い芝、日本代表を苦しめる要素ばかりだった。
そして、前半37分、PKを獲得した日本はキッカーのFW上田綺世がスポットに。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックを経たレフェリーからPKが告げられた瞬間、観客席から上田の顔をめがけてレーザー光線が当てられた。それでも上田は微動だにせず。ひたすらゴールを見続けた。完璧なPKを冷静に蹴り込んで先制。その後上田の追加点を含めて4ゴールを挙げての5得点快勝だった。
上田だけでなく、MF堂安律のコーナーキック(CK)時にもレーザー攻撃があった。ピッチ上の選手たちは互いにリスペクトを持ちながら戦っていただけに、熱戦に水を差す非常に残念な行為だった。
森保監督は「まずは国によって文化、価値観が違うのは多様性として受け入れていきたい。今日の試合であればお互いの国歌の時ブーイングすることであったり、試合中の選手のプレーを妨害するような。もしかしたら目に当たったりした時に選手にも害があるようなことはできるなら止めていただきたいなと思います。バーレーンチームが非常にフェアなチームでしたので、サポーターの皆さんもチームのようにいてくれることを願っています」と苦言を呈した。
それでも、日本の選手たちは立派だった。堂安は「気付かなかった」と言い、上田も「集中していたので気にならなかった」と言い放った。
日本は過去にも2013年3月27日のW杯最終予選ヨルダン戦でGK川島永嗣やMF遠藤保仁らセットプレーの際に緑色の光線を当てられていたことがある。当時はAFCに抗議文を提出した。繰り返される卑劣な行為に今一度FIFA、AFCは考え直さなければいけないだろう。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)