ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

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秋信守のアジア勢最多218HRまで残り1も…韓国では「50-50の方が注目」

 ドジャースの大谷翔平投手は今季46本塁打&47盗塁(46-47)を達成し、史上初の50-50を成し遂げられるかに注目が集まっている。そんな中、残り1本に迫っているのがチュ・シンス(秋信守)の持つアジア勢最多のメジャー通算218本だ。韓国出身の大打者の偉大な記録だが……意外にも韓国内での関心は高くないという。

「(アジア勢最多記録の更新は)記事にはなると思いますけど、50-50を達成できるかどうかの方が注目の比重が大きいですね」。そう語るのは昨春のワールド・ベールボール・クラシック(WBC)を取材した韓国ネットメディアの男性記者だ。「50-50は誰もやり遂げなかった記録ですから」と話すが、秋信守自身の知名度の影響もあると見る。

 秋信守は2000年にドラフト1位でKBOのロッテ・ジャイアンツから指名されるが入団を拒否し渡米。アマチュアFAでマリナーズと契約した。2009年にインディアンス(現ガーディアンズ)で打率.300、20本塁打21盗塁とブレークすると、レンジャーズなどで2020年までプレー。メジャー通算打率.275、1671安打、218本塁打、782打点、OPS.824をマークした。

 韓国を代表するレジェンドに変わりないものの、高卒即メジャーということや、2010年の広州アジア大会で金メダルを獲得し、兵役免除を受けて以降、国際大会への出場がないことから母国での関心はイマイチ。「韓国内でプレーしたのはわずかに4年。ファンと親しくなったばかりというのも理由の一つです」と説明する。

 最も一番は大谷が別格であることが要因。同記者によると、秋信守は大谷がメジャーに来た時に自らの全ての記録を抜くと予想したという。記者自身も「イチローの(日本人最多56盗塁の)記録まで狙う大谷なので驚きはもうないですね」と苦笑い。韓国のファンにとっても、大谷のアジア勢最多本塁打記録更新は通過点のようだ。(川村虎大 / Kodai Kawamura)