ドジャース・大谷翔平(左)と金のボブルヘッドを手に入れたノックスくん【写真提供:ジョー・ケリー】

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ケリーの息子が父のグラブと交換でファンから金色のボブルヘッドを獲得

 仕事道具を奪われたが、愛する息子の頼みなら仕方がない。ドジャースは28日(日本時間29日)、大谷翔平投手と愛犬デコピンのボブルヘッドを4万人に配布した。同僚ジョー・ケリー投手の息子ノックスくんは少数限定の金色の人形を求め、ファンと交渉。その後、父ケリーのグラブと交換という形で手に入れた。

 大谷とデコピンの人形を求め、球場には長蛇の列ができた。試合前、父とともにグラウンドに現れたノックスくんは観客席に金の人形を持ったファンを発見した。父のサインボールとキャップを提案し交渉したが不成立。その後、ファンが「グラブを欲しい」と要求すると、ノックスくんはケリーのグラブを強奪。観客席に投げ入れ、交渉が成立した。

 ファンの元へ渡ったのは、実際に試合で使用しているグラブだった。グラブを奪われケリーは練習ができず、両手を上げ、頭を抱えるしかなかった。「(グラブは)2つあったんだけど、今はもう1つしかないよ」。29日(同30日)、残り1つの赤いグラブを大事そうに手にしながら取材に応じた。

 グラブで金のボブルヘッドを手に入れるまさかの展開。「ノックスの持ち物になったから、私は何も得なかったよ。私の持ち物を使ってトレードされたからね」と苦笑いした。それでも息子の笑顔は、父にとって1番の宝物。「彼のことを思うと嬉しいよ」と喜んだ。

 さらに、手に入れたのは金のボブルヘッドだけではなかった。クラブハウスに戻ると大谷が人形にサインを書き、2ショット撮影にも応じてくれた。「ハッピーだったね。色々な人に言いふらしていたよ。ここにいる人だったり、学校の人、恐らくお母さんにもね」と父の顔になっていた。

「彼は興奮していたけど、私は『今年のクリスマスプレゼントはなしだ!』と伝えたよ」。4か月早いプレゼントだが、ノックスくんにとってはこれ以上ない宝物になったことだろう。(川村虎大 / Kodai Kawamura)