「そのことを友人に教えてもらい、自分の考えをきちんと伝える場が求めて私もXアカウントをつかって考えを主張してみたんです。

 まず、『坊主だと髪の毛のおしゃれができなくてかわいそう』という声がありましたが、私は自分の意思で選んで坊主にしているうえ、いまの坊主の自分は最高に美しいと自負しているので余計なお世話かなと。

 また、私と違い、自分の選択ができないまま、スキンヘッドや坊主ヘアになる方も多くいます。脱毛症、抜毛症の方などが該当するでしょう。坊主頭必須の運動部員の生徒さんもそうですかね。彼ら彼女らもかわいそうだなんて、私なら言えません。坊主かっこいいんで。

 一方で、『男性に性欲をコントロールしろ』という発言は、あとから考え直すと『女性は生理があるんだから全員ピルを飲め』というのと同じくらいひどい発言だったと反省しています。それに、世のすべての男性が女性を見境なく口説こうとしているわけがないのに、『男性』と大きな主語でくくってしまったことも謝罪したかった」

◆リポストだけして満足するのは思考停止

 Xの論争に自ら飛び込んだことで思うところもあったという。

「改めて、SNSとの適切な距離のとり方は難しいと感じました。たとえば、『男性に言い寄られる女の苦しさの代弁者』として祭り上げようとする女性も多かったんです。

 だけど、放送内の私の発言には反省すべきことがあったのも事実です。誰かの意見を咀嚼しないまま『代弁してもらった、わたしが言いたかったことだ』と思い込みすぎるのは、思考停止に繋がりかねません。誰かを代弁者にするんじゃなくて、それぞれが発信者となっていってほしいとは思いました」

 もともとSNSを避けている部分があったChipicoさんは、この論争がある程度落ち着き次第、アカウントは削除する意向だとか。彼女の本意がより多くの人たちに伝わることを願いたい。

<取材・文/田中慧>