サラセニア。筒状での捕虫葉の中に虫を落として消化吸収。葉の入り口に虫をおびき寄せる蜜線を装備。筒のような葉は滑りやすく、毛が下向きに生えているため脱出は困難

●静岡県伊東市の人気観光施設『伊豆シャボテン動物公園』で開催中の「びっくり!食虫植物展」に注目!

“食”をテーマにした記事を中心に運営している「食楽web」ですが、今回ご紹介するのは、食は食でも“食虫植物”のイベント。

 それが、静岡県伊東市の『伊豆シャボテン動物公園』で、7月6日~9月1日の夏シーズン中に開催されているスペシャル展示「びっくり!食虫植物展」です。

「食虫植物」とはその名前の通り、虫などの小動物を食べる習性を持っている植物の総称。虫などをおびき寄せるための色や匂い、捉えるためのトラップのような形状や器官など、ある意味”背徳的”といえるような怪しい魅力を放つ食虫植物は世界中に幅広く分布しており、現生種は12科19属600種類も存在しています。

 今回は、その中から、伊豆シャボテン動物公園で公開中の食虫植物をいくつかご紹介していきましょう。

いざ、めくるめく食虫植物の世界へ

ハエトリソウ。捕虫葉の内側に生えている毛に、虫が20秒以内に2回or2本以上触れると、0.5秒の速さで葉が閉じる仕組み。虫は酵素が含まれた消化液で約10日間かけて消化吸収される

 食虫植物は、虫を食べることのみでエネルギーを得ているのではなく、光合成を行うことで自ら栄養分を合成して育つ能力も有しています。自生地の多くは湿った荒地や湿原で、土壌中のリンなどのミネラルや栄養素が不足しがちな土地。なので、足りない栄養分を食虫によって補給しているというわけです。

ウツボカズラ。ヒョウタンのような袋状の捕虫葉に液体をためて、落ちてきた虫を消化、吸収して栄養を補給する

 会場で展示される食虫植物は「ハエトリグサ(ハエトリソウ)」や「ウツボカズラ」、「モウセンゴケ」「サラセニア」など、メジャーなものから知る人ぞ知るマニアックなものまで幅広くラインナップ。独自の進化を遂げた食虫植物をじっくりと観察することができます。

モウセンゴケ。葉の表面にある粘毛で虫をとらえる食虫植物。ヨーロッパでは、喘息を抑える薬として伝統的に使われており、研究によるとアレルギーを抑制する物質も発見されている

 また、期間中は展示会の様子を公式SNSにて生配信する予定とのこと。食虫植物に関する、よりディープな知識や情報が得られるかもしれないので、ぜひチェックしておきましょう。

 愛好家の方はもちろんのこと、映え度抜群のキモカワイイ造形に心を動かされてしまった方、夏休みの自由研究のテーマ選びに悩んでいるお子さん……と、あらゆるニーズをまとめて面倒見てしまう魅力たっぷりの内容が嬉しいスペシャル展示「びっくり!食虫植物展」。知見が大きく広がること間違いなしですよ!

まとめ

 なお、会場となる『伊豆シャボテン動物公園』は、メインである多種多彩な動物やサボテンの展示に加えて、アニマルボートツアーやラマのジップラインおやつあげ体験などのアクティビティ、巨大な石像群、さらに美味しいメニューを提供する食事処など、一日を楽しく過ごすことができる施設。今夏に伊豆観光を計画されている方は、その行程内に『伊豆シャボテン動物公園』を組み入れて、楽しい夏の思い出を作ってみては?

●DATA

びっくり!食虫植物展

期間:2024年7月6日(土)~9月1日(日)
場所:『伊豆シャボテン動物公園』内 第5温室メキシコ館
https://izushaboten.com/