スーパーに並ぶ食用油。中国東北部遼寧省瀋陽で(2008年4月3日撮影、資料写真)。(c)AFP

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【AFP=時事】中国でこのほど、灯油を運んだタンクローリーを洗浄せずに食用油を輸送していたことが分かり、国民から激しい怒りの声が上がっている。

 中国紙「新京報」が先週、同国の輸送業界にまつわる「公然の秘密」として、この問題を取り上げた。

 同紙は、複数のタンクローリーが灯油を降ろした後、タンクを洗浄することなく食用油を入れるのを確認できたと報じた。

 あるタンクローリー運転手は、競争が激化する中で経費削減に一役買っていると同紙に話した。

 報道を受け、当局は取り締まりの強化を発表。また中央政府は9日、本件について調査を開始すると発表した。

 中国での食の安全性をめぐる問題は、これまでにも繰り返し報じられてきた。

 2008年にはメラミンが混入した牛乳で乳幼児6人が命を落とし、数十万人が被害を受けた。

 また昨年には、中国ビール大手、青島ビール(Tsingtao Brewery)の従業員が原料に放尿しているように見える動画が拡散し、公安当局が捜査に乗り出した。

 食用油の汚染発覚を受けSNSでは怒りが広がった。

微博」のあるユーザーは「暴露された問題には全く驚かない!」とし、「メラミンから灯油誤飲まで、私たちが経験していないものは何かあるか?」と痛烈に皮肉った。

翻訳編集】AFPBB News

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