Photo: 三浦一紀

2023年4月7日の記事を編集して再掲載しています。

一昔前を楽しもう。

スマホのカメラが進化するにつれて、デジカメは高額なハイエンド機種だけが残り、手頃な価格で買える初心者向けの機種は少なくなりました。わざわざカメラを買って写真を撮る人も減ったように感じます。

そんな中、ひそかにマイブームとして楽しんでいるのが、「オールドデジカメ」を使って撮ること。昔からデジカメをちょくちょく買っていて、当時新品で買ったものとかもあるんですけど、今でもたまに10年くらい前のデジカメを買うこともあります。

スマホ全盛のいま、あえてオールドデジカメで撮る理由は何なのか。オールドデジカメのここがいい!ってところをご紹介します。

古くても現役

オールドデジカメで一番いいなと思うところは、ちょっと前の高級機種がお手頃価格で買える点です。

現行機種の1世代前の型落ちでもけっこう安くなりますが、2世代前、3世代前になると、そりゃもうお手頃すぎる価格になっていることも。

正直、画質に関しては今のハイエンド機種と比べなければあまり気にならないレベル。というか、昔の機種のほうが個性的な画質のことが多くて、楽しいんですよ。

2011年3月発売のE-P3(オリンパス)で撮影

AFがちょっともたつくとか、電源入れてから撮影できるまでのタイムラグがちょっとあるとか(数秒レベルですけど)、連写性能が弱いとか、高感度撮影だとノイズが盛大に出るとか、細かいところを見れば最新技術よりも劣る部分はあるんですけど、それも「まあ古いカメラだしな」と楽しめます。

レンズ交換式のデジタル一眼レフだったりミラーレス一眼の場合は、レンズも必要になりますが、当時のレンズなら比較的お安く手に入るので、システムを揃えていくのも楽しくなっちゃいます。

2013年10月発売のX-M1(富士フイルム)で撮影

カメラ好きの方なら、当時高くて買えなかった憧れの機種をお安く手に入れられるという点でワクワクしますし、これからカメラ始めようかなという人なら、お手頃価格でそこそこいいカメラが手に入るのでお得です。

スマホでは撮れない「いい写真」が撮れる

最近のスマホは、カメラ性能がぐんぐんよくなっていて、普段使いのカメラとしてはかなり優秀だと思います。

でも、やはりデジタルカメラのほうがより「ザ・写真」という感じの写真が撮れます。

これは口で説明するのがちょっと難しいのですが、雰囲気のある写真が撮れると言ったらいいのかな。

2013年2月発売のX20(富士フイルム)で撮影

スペック的なことを言えば、撮像素子(CMOS)のサイズが全然違いますから、ボケ感とか空気感みたいなのが別物なんですよね。

また「カメラで撮る」という行為自体が、スマホで撮影するのとは撮影者の意気込みが違っているのも写真の結果の差異につながっているのかもしれません。この辺は感覚の問題ですけどね。

2007年4月発売のGX100(リコー)で撮影

でもやっぱり、スマホで撮影した写真とデジカメで撮影した写真では、かなり印象が異なります。

スマホの写真じゃ物足りないって場合に、オールドデジカメを使ってみると写真が楽しくなると思います。

また、最新のスマホを買うよりもオールドデジカメのほうが断然安いんですよ。写真のために最新のカメラに買い換えるなら、その10分の1くらいの価格でオールドデジカメ買ったほうが幸せになれます。

マニア魂に火が付く

これは僕だけかもしれないんですけど、なにかのジャンルにハマると、いろいろ揃えたくなっちゃうんですよね。オールドデジカメもそう。

昔、名機と言われていたデジカメが安く売っていると、必要ないのに買っちゃうんですよ。

それだけじゃなく、中古カメラショップやネットオークション、フリマサイトなどで物色まで始める始末。

なんせ、当時よりもかなりお安く買えるので、なんだか得した気分になって揃えちゃうんですよね。コレクター要素あるのかも、僕。

当時の憧れのカメラを手にすると、別に写真を撮るわけでもないのにカメラを眺めたり、操作したり、メニュー画面開いて設定のカスタマイズとかしちゃうんです。至福ですね。

とまあ、そういうコレクター的な、マニア的な趣味も満たしてくれるのが、オールドデジカメです。

オールドデジカメ購入時の注意

オールドデジカメは楽しいんですが、基本的に中古カメラになるので、購入する場合は注意が必要です。

購入場所としては、中古カメラを扱っているカメラショップがいいでしょう。実店舗でもいいですし、ネットショップでもOK。カメラショップなら中古でもある程度保証が付いていることがありますし、品質面でも安心です。

ネットオークションやフリマサイトの場合、想像していたものよりも状態の悪い商品が届くことがあります。

だいたいノークレームノーリターンだと思うので、変なのつかまされても文句言えません。ある程度覚悟を持って購入しましょう。

あとは、バッテリーにも注意。古いデジカメの場合、本体に付属するバッテリーが劣化していて本来の性能を発揮できないことも多々あります。また、予備バッテリーがもう製造中止になっていることも。

Amazonなどで互換バッテリーと充電器が販売されていることがあるので、狙っているオールドデジカメがあったら最初にバッテリーの確保ができるかどうかチェックしておくといいでしょう。

おすすめオールドデジカメ

オールドデジカメといっても、古いデジカメならなんでもいいってわけでもありません。ある程度、現代でも通用するレベルの画質とスペックであり、何かひとつ光るところがあるのがオススメです。

僕が最近よく使っているオールドデジカメ、ご紹介しますね。

LUMIX LX100(パナソニック) 2014年11月発売

フードはオールドカメラ風のものを付けています

4/3(フォーサーズ)サイズの撮像素子(1200万画素)に、24-75mm F1.7-2.8相当の明るいズームレンズを搭載。4K動画の撮影も可能など、当時のハイエンドコンパクトデジカメは今でも充分使えるスペック。

LX100で撮影

通常のコンパクトデジカメよりも大きいサイズの撮像素子で、余裕のある絵作りが特徴です。

X20(富士フイルム) 2013年2月発売

フード、水準器付きサムレスト、シャッターボタンなどカスタマイズしまくり

数年前、某家電量販店のワゴンセールで新品を見つけて購入しました。

クラシカルなデザインに目が行きますが、2/3型のX-Trans CMOS IIセンサーと広角側の開放値F2.0の明るいズームレンズで、富士フイルムらしい色味が楽しめる実力派。

X20で撮影

小さいながらも光学ファインダーが搭載されているため、光学ファインダー大好き人間たちは、後継機種のX30以降のモデルよりもX20を探し回って確保しているとかいないとか。

最近中古価格が高騰しています。

XF1(富士フイルム) 2012年11月発売

薄形のボディに沈胴式ズームレンズを搭載したモデル。このレンズ、広角側(25mm)の開放F値が1.8と明るく、2/3型1200万画素EXR CMOSセンサーとの相性がバツグン。

まだ富士フイルムの覚醒前(X-Trans CMOS以前)のセンサーですが、写りは上々。スリムなボディなので、日常スナップカメラとして重宝しています。

XF1で撮影

ただ、レンズを手で引っ張りだして電源オンという独特の操作に最初は戸惑うことでしょう。

また、その独特の操作系のせいでレンズ部分が壊れやすいので、完動品を手に入れたら大事に扱いましょう。

そのほかにもオススメカメラあるんですが、長くなっちゃうのでここらへんで。

個人的な趣味もあるのですが、富士フイルムのデジカメは末永く楽しめるものが多いと思います。

よいオールドデジカメライフを!

最近ちょっと狙っているのが、PENTAXの「K100D」や「K200D」といったデジタル一眼レフです。

なぜかって? それは「乾電池で動く」から。PENTAXは昔、乾電池で動くデジタル一眼レフを数多く出していたんですよね。

2006年7月発売のK100D(PENTAX)で撮影

上で述べましたが、デジタルカメラはバッテリー問題があります。しかし乾電池で動くカメラなら、このバッテリー問題が一気に解決。

いざというときのために、サブのカメラとして1台確保しておきたいんですよね。でも、そうすると今度はレンズも揃えたくなってきて、PENTAX沼にハマっちゃいそう…。

とまあ、オールドデジカメって楽しいしお得だし、沼だし(!)なので、ぜひみなさんも楽しんでください。よろしくお願いします。