2回、先制ソロを放ち、ナインに迎えられる坂本(中央)=撮影・中島達哉

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 「日本ハム2−7巨人」(14日、エスコンフィールド)

 北の大地が沈むチームの背中を押した。合言葉は「勝ってススキノに行こう」。巨人・阿部慎之助監督(45)の大号令に、ナインが公式戦では初となるエスコンフィールドで躍動した。2本塁打を含む9安打、7得点。泥沼連敗を6で止めた。カギを握ったのは「7番」坂本。試合前の“緊急会議”が勝因だった。

 吉川を6番、坂本を7番に下げて、好調のヘルナンデスを3番に置くなど、大幅に打順を入れ替えて臨んだ一戦。打撃部門を担うコーチだけではなく、この日は初めて杉内、内海両投手コーチ、実松バッテリーコーチも交え、全首脳陣で打開策を狙った。導いた答えが「7番・坂本」だった。

 「相手が嫌かもしれないという打順で行ってみようと。独断で僕が決めたわけじゃないからね」

 坂本は2死走者なしで打席に立った二回、山崎の1−1から3球目。高めに浮いたチェンジアップを見逃さなかった。フルスイングした打球は一直線に左翼席到達。「最高の形になってよかった」と4月25日・中日戦以来の4号ソロで口火を切った。試合前には阿部監督が助言。「すぐに結果が出せる」と、舌を巻く修正能力で一流の証しだ。

 6連敗で迎えた一戦。指揮官は試合前に全選手を集め、初心に返って基本の徹底を求めた。その上で「連敗を止めてススキノに飲みに行っちゃおう」と呼びかけ、笑顔で盛り上げて士気を高めた。「勝つってうれしいね」。一丸野球でトンネルを脱出し、しみじみと勝利の余韻に浸った。交流戦は残り2試合。“ススキノ大宴会”からリーグ戦再開に弾みを付ける。