実力&トレンドから探る傑作アウトドアバックパック<アウトドア部門>【カバン&バックパック大賞2024】

写真拡大 (全31枚)

【カバン&バックパック大賞2024】

過酷なフィールドでの使用を想定したアウトドアブランドのギアなら、その機能は折り紙付き。今回は耐久性や軽量性などのスペックと人気や注目度なども考慮し、幅広いユーザーにオススメできる傑作バックパックを厳選した!

*  *  *

フィールド下でのバックパッックにはタフさはもちろん、長時間背負っても疲れにくい快適さなども求められる。今回は山岳ライターの吉澤さんとGoodsPress編集が先述の機能性や独自性に注目して、多くのユーザーにオススメできるバックパックを厳選した。

そのなかでも、初級者からベテラン登山者まで多くの人に愛用されているミレーのサースフェーの汎用性は頭ひとつ抜けていた。

「現行モデルでは撥水性の高い素材に変わったのがよく話題になりますが、個人的にはボトム部分にストラップが追加され、背負い心地がさらに良くなった点に注目したいですね。バランスが良く、初心者にとっても、まず間違いないアイテムだと思います」

今回取り上げたバッグには、近年求められている「軽さ」を前面に打ち出した製品や、今年初上陸した新ブランド、在庫僅少が続く人気モデルの新作などが並ぶ。どれも実用性が高く、ブランド独自の解釈を製品化した意欲作もある。ぜひ隅までチェックして、次のアクティビティのプランとお供のバックパックの購入計画を考えておこう。

山岳ライター/吉澤英晃さん
登山用品を扱う会社に勤務した後、フリーライターとして独立。登山専門のWebメディアや雑誌を中心に活動中。いちばんの趣味は泊りがけの沢登り

 

<カバン&バックパック大賞>

ーアウトドア部門ー

【大賞】機能充実!進化し続ける定番バックパック

ミレー
「サースフェー NX 30+5」(2万8050円)

ボトムのコンプレッションストラップを引き込むと、体に重心がグッと寄せることができます。細部まで良く考えられているザックだなと感じますね(吉澤さん)

低山ハイクから山小屋泊を伴うような本格登山まで対応できる人気モデル。ロングセラーシリーズだが、リニューアルを経るごとに使い勝手が向上。シリコン加工を施したコーデュラナイロンを採用し、耐水圧1500mm以上の撥水性能を備えている。容量は最大35L

▲背面システム「SAAS FEE BACK」により、背負い心地や汗処理能力、クッション性は良好

▲ショルダーハーネスには左右ともにポケットを配置。便利なハンドレストもミレーらしい

▲2気室構造のボトム側には寝袋や着替えを圧縮できるコンプレッションベルトも備える

 

■耐久性・軽量性・実用性ともにハイクオリティ!

ザ・ノース・フェイス
「ウラノス35」(3万1900円)

通気性の良いトランポリン構造など、完成度の高いバックパック。荷室は湾曲した構造ですが、ボトムはフラットで自立するのも良いですね(吉澤さん)

メインファブリックには100デニールナイロン、ボトム部分には210デニールストライプトビーナイロンを使用し十分な耐久性を確保。それでいて重量は約1315gと控えめだ。取り外し可能な雨蓋やヘルメット用ループ、豊富な収納ポケットなど装備も充実している。

▲ウエストハーネスと一体化したトランポリン構造のバックパネルはフィット感も良好だ

 

■日常からフィールドまで幅広く活躍できる

ミステリーランチ
「クーリー30」(2万8600円)

背面長を無段階で調節できるフューチュラヨークシステムと、荷物を素早く取り出せる3wayジップの組み合わせは唯一無二です(吉澤さん)

アイコニックなフロントのY字ジッパーが目を惹く人気モデル。タフな作りとフィット感に優れたトレイルヨーク(ショルダーハーネス)はフィールドでも頼りになる。落ち着いたカラーとスポーティ過ぎない見た目は、旅行などシーンを選ばず使いやすい。容量は29L

▲同シリーズにはさまざまな容量のモデルがラインナップ。自分に合ったモデルを選ぼう

▲メインコンパートメントへのアクセスもラク。内部には別売りバッグの取り付けも可能だ

 

■軽さと通気性が良好!軽快な山歩きが楽しめるパック

マムート
「リチウム25」(1万7050円)

フレームも流行りのフロントポケットもあり、パッドは通気性が良く、もちろんハイドレーションにも対応する。隙がないザックです(吉澤さん)

容量25Lでありながら、重量は880gと軽いバックパック。ショルダーパッドや背面は通気性が高く、歩行時の蒸れや汗を効果的に逃がしてくれる。リサイクル素材を使用した点やPFCフリーの耐久撥水加工を施しているなど、環境にも配慮したつくりも見逃せない!

▲背面には3DEVAフォームを採用。エアチャンネルが空気の流れを作り、通気性も◎

▲ヒップベルトには拡張式のポケットがあり、広げればスマホも縦に収納することが可能だ

 

■幅広く使えるオールラウンダーな本格モデル!

ブルーアイス
「ファイヤークレスト38」(2万6950円)

今回紹介したザックのなかでも対応できるアクティビティの幅が特に広いです。トレッキングからクライミングまで色々やりたい人にオススメ(吉澤さん)

一般的な登山はもちろん、冬のアルパインクライミングや春のスキー、夏のロッククライミングなど季節やスタイルを問わず活躍できる。構造はシンプルながら、最低限のポケットやアックスやスキー板も取り付けられるループやフックなどを備えた玄人好みの設計だ。38L

▲ザック本体に付属しているループと金属製のフックを使えばスキー板も運べる

▲スノーシーズンに活躍するアバランチギアの収納ポケットも付属する。取り外しも可能

 

■ロングハイクに最適ウルトラライトなザック

ブラックダイヤモンド
「ベータライト30」(4万8400円)

ブラックダイヤモンド初のULパック。最小450gの軽さは驚き! 軽量で引き裂き強度に優れ、高い防水性ももつ素材「Ultra20」に期待です。(吉澤さん)

クライミング向けプロダクツを多くラインナップするブラックダイヤモンドの、ブランド初となるULバックパック。メイン素材の「Ultra200」は軽量で引き裂きに強く、耐久性にも優れているほかその風合いも特徴的だ。大きなフロントポケットなど実用性も備える。

▲背面フレームパッドは取り外しが可能。自身のスタイルやシーンに合わせてカスタムできる

▲ヒップベルトには小物や行動食などを収納できるポケットを配置する。こちらも着脱可能

 

■軽さと背負い心地の良さを高レベルで両立!

ラブ
「ムオン40」(3万3000円)

大きなポケットというトレンドを抑えつつ、背負いながらでもサイドポケットからモノが取り出しやすい。安定感もあって良いザックですね(吉澤さん)

ロールトップ式の構造とストレッチ性のある大きなフロントポケットが特徴のバックパック。軽量性と安定性を両立した「TRI-FLEXキャリーシステム」のほか、サポート力やフィット感も高レベル。トレンド感と実用性を兼ね備えた良モデルだ。容量は40L

▲チェストストラップは操作性もよく、Z字にコンプレッションすることでフィット感もイイ

▲フロントポケットにはアウターやマップ、各種小物なども気軽に収納できる。あるとうれしい便利な機能だ

 

■ミステリーランチが提案する軽量モデル

ミステリーランチ
「レイディックス47」(3万5200円)

ミステリーランチが考える、バックパックにおける“軽さ”を具現化した意欲作。特に47L以上のモデルは軽さと収容力のバランスが良いですね(吉澤さん)

耐久性や背負い心地を担保しつつ軽量化を目指したモデル。ベルトやフレームなど各種パーツの取り外しができ、快適さと軽さを天秤にかけた自分好みのカスタマイズが可能だ。47Lのモデルなら日帰り登山から装備によってはオーバーナイトにも対応できる。1.6kg

▲ガバッと大きく開く仕様は健在。荷物の多い中型ザックではより嬉しく感じる機能だろう

 

■人気モデルがニューカラー&新素材で登場

パーゴワークス
「バディ33SP」(3万3000円)

ファンが多く、使い心地に定評のあった「BUDDY」の限定モデル。新しく素材にECOPAKを使ったことで、強度が向上しています(吉澤さん)

従来の使い勝手の良さはそのままに、メインファブリックに「ECOPAK」を新採用。耐候性が向上したほか、男前なブラックカラーも所有感を刺激する。重心バランスが高めになる逆台形のデザインは、重心を体に近づけて体への負担も軽減してくれる。容量33L、1200g

▲別売りのアイテムとの互換性も考慮して設計されている。ぜひ組み合わせて使いたい!

▲背負ったときのフィット感が良く、岩場などでも体の動きにしっかり追従してくれる

 

■今年上陸したばかりの注目ブランド

ピンゴーラ
「ルーシッド20」(2万900円)

ショルダーハーネスの裏には滑り止めのシリコンプリントがあるのもユニーク。明るい色のバックパックの登場は個人的にも嬉しい!(吉澤さん)

日常使いから日帰りハイクまで幅広く使いやすいバックパック。歩きながらでも小物が出し入れしやすいショルダーハーネスのポケットや、伸縮性に優れたサイドメッシュポケットなどを装備も充実している。容量は20L、重量は約500gと使いやすい設計が嬉しい。

▲豊富なカラーバリエーションも魅力的。どれもフィールドで映えるステキなカラーだ

※2024年5月7日発売「GoodsPress」6月号80-83ページの記事をもとに構成しています

>> 特集【カバン&バックパック大賞2024】

<文/島田優太 写真(P80)/湯浅立志(Y2)>

 

【関連記事】

◆アウトドアからタウンユースまで幅広く活躍するゼログラムのバックパック「YAKI」シリーズに30Lサイズが追加!
◆さすがフライターグ!このバックパック、生地からパーツまで全て同じリサイクル素材だって
◆ミステリーランチの新バックパック「レイディックス」誕生!軽くて堅牢、背負い心地も抜群です