今季浦和に新加入の前田直輝【写真:轡田哲朗】

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沖縄キャンプの最終日に鳥栖とトレーニングマッチを実施

 浦和レッズは沖縄県トレーニングキャンプの最終日となった2月6日にサガン鳥栖とトレーニングマッチを実施。

 45分3本の形式で、トータルスコア7-1とゴールラッシュを見せた。

 ペア・マティアス・ヘグモ監督が今季就任した浦和は、4-3-3システムを導入。就任にあたりヘグモ監督は浦和の強化部門と「高い強度の攻撃的なサッカー」を推し進めることで合意したとして、この沖縄キャンプでその目的に向けてトレーニングを積んだ。ノルウェー代表FWオラ・ソルバッケン、J1得点王経験のFWチアゴ・サンタナ、FW松尾佑介、FW前田直輝といった攻撃的ポジションの積極補強も目を引いた。

 この日のゲームではソルバッケンがコンディション調整で出場を見送り松尾も2つ目のセットからの出場になったが、1本目に左ウイングでスタメン出場したFW関根貴大から右ウイングの前田へのスルーパスが通り、前田が先制ゴール。また、DFアレクサンダー・ショルツからのパスを受けたサンタナがGKとの1対1を冷静に決めた。さらに、前田が中央に入れたボールにサンタナが飛び込むと、こぼれたボールをMF小泉佳穂が押し込んだ。

 また、2本目にはハイプレスで鳥栖の最終ラインからボールを奪うとFW興梠慎三が強烈ボレーでゴール。3本目は興梠のラストパスからMF安居海渡が蹴り込み、MF岩尾憲の浮き球パスに抜け出したMF中島翔哉がループシュートを決め、FW郄橋利樹もPKで追加点。鳥栖がセンターバックに負傷者が重なっている状況にあったとはいえ、同じJ1との対戦で135分間に7ゴールという破壊力を見せた。

 また、鳥栖との対戦後には沖縄国際大学と45分間のゲームを行い、タイ代表MFエカニット・パンヤや昨季ルヴァン杯でニューヒーロー賞を受賞のMF早川隼平らがゴールして5-0で終え、チームとしては12ゴールの1日を過ごしてキャンプを締め括った。

 2得点に絡んだ形の前田は「鳥栖さんのやり方がハイラインなので、裏のスペースを狙っていこうと話をしていた。そこは僕らの狙っている攻撃パターンでもある」と話し、伊藤やDF酒井宏樹を交えた右サイドの連係について「僕が合わせてもらっている感覚で、素晴らしい選手2人に囲まれていて、楽をさせてもらっている」と笑顔を見せた。

 また、サンタナは「自分にもチームにも非常に大切なキャンプだった。新加入だしチームメイトを知ることもそう。高い強度の中でアジャストもできた」と話す。攻撃陣の陣容を見れば自身2回目の得点王を狙うチャンスも感じられるが、「クラブとしてJ1の優勝を狙っている。もし、得点王とどちらかを選ばないといけないというなら、チームのタイトルを獲りたい」と話し、「得点で貢献するだけでなく守備でもチームを助けたい」と意欲を話していた。

 昨季はJ1最少失点の守備力が際立ったものの得点力不足が課題になった浦和だが、選手補強と新監督の戦術により改善と強化の兆しを明らかにしてキャンプを終了。今後、2月23日にサンフレッチェ広島と対戦する開幕戦に向けてチーム全体のバランスなど総合力をさらに高め、2006年以来のリーグ優勝を目標にシーズンを戦っていく。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)