盗まれたiPhoneは、正しいパスコードを打ち込まれてしまった時点で、解錠やクレジットカードの使用が可能になってしまいます。こうした事態を防ぐため、機密性の高い情報にアクセスする際は必ず生体認証を要求する新しいオプション機能がテストされていることが分かりました。

Apple’s iOS 17.3 Stolen Device Protection Update Aims to Stop iPhone Thieves - WSJ

https://www.wsj.com/tech/personal-tech/apple-iphone-ios-update-stolen-device-protection-698d760e?mod=followamazon

Apple’s new iPhone security setting keeps thieves out of your digital accounts - The Verge

https://www.theverge.com/2023/12/12/23998665/apple-stolen-device-protection-face-touch-id-icloud-account-vulnerability-ios-17-3-beta

iOS 17.3 Beta Adds New Stolen Device Protection Feature to iPhone - MacRumors

https://www.macrumors.com/2023/12/12/ios-17-3-stolen-device-protection-feature/

ベータ版が配布されているiOS 17.3では、iCloudキーチェーンに保存したパスワードの表示、新しいApple Cardの申請、デバイスの工場出荷時設定へのリセット、Safariで保存した支払い方法の使用などを行うときに、Face IDまたはTouch IDを要求するオプションが導入されています。

この設定を有効にしておくと、たとえスマートフォンが盗難されたとしても、被害をある程度軽微に抑えることができます。

さらに、自宅以外など普段とは違う場所でApple IDのパスワードの変更、iPhoneのパスコードの変更、「探す」をオフにするなど、より機密性の高い操作を行う場合は、上記生体認証を一度行った後すぐには解錠せず、さらに1時間待ってからもう一度生体認証を要求するという徹底した保護機能になっているとのこと。



ただし、メールやその他アプリは保護されず、パスコードを使って端末のロックを解除された時点で見られてしまう可能性があります。

個人情報の宝庫とも言えるiPhoneを盗まれ、さらにパスコードまで知られているという状況の場合、ユーザーが直ちに情報を保護するための方法はこれまでほとんどありませんでした。ウォール・ストリート・ジャーナルの調べでは、バーなどの公共の場所でパスコードを盗み見られた上でiPhoneを盗まれたという人が数百人規模で存在することが分かっています。

パスコードをのぞき見られたiPhoneが盗まれ銀行口座に不正アクセスされる犯罪が報告されている - GIGAZINE



今回の機能導入にあたり、Apple担当者は「iPhoneのデータ暗号化は長い間業界をリードしてきました。窃盗犯は、ユーザーのパスコードを知らない限り、iPhoneのデータにアクセスすることはできません。パスコードを見られたというレアケースを想定し、今回新しい保護機能を追加します」とコメントしました。