クイーンSに出走予定のジネストラ(撮影:下野雄規)

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 秋のGI戦線を目標とする牝馬にとって重要なステップレース。札幌競馬場芝1800mコースはスタンド前から発走してコーナーを4回まわる。Aコース使用で最後の直線は266.1m。逃げ、先行馬が有利であることは間違いないが、牝馬限定の別定戦だけに実力馬に有利な舞台だ。

 ◎ジネストラは福島牝馬ステークス4着馬。3歳春にはアネモネS2着もある。どんな位置からも競馬ができる器用さを持ち合わせ、デビューから前走まで掲示板を外したのは桜花賞のみという堅実派。これまではマイル戦を中心に使われてきたが、前走は距離延長にしっかりと対応できた。札幌競馬場は条件戦とはいえ昨年に経験しており、その時は危なげなく勝利を記録している。母ハッピーパスは札幌日刊スポーツ杯優勝馬。3歳春に挑んだクイーンステークスは大幅な馬体減もあって見せ場を作れなかったが、洋芝適性は高そうだ。

 〇ドゥーラは昨年の札幌2歳S優勝馬でオークス3着。2歳女王の座をかけて挑んだ阪神ジュベナイルフィリーズは出遅れて最後方からの競馬になったとはいえ勝ったリバティアイランドを上回る末脚を繰り出し、チューリップ賞は最後の直線で不利もあった。オークスで改めて世代屈指の能力を示した格好になった。ある意味で試金石になりそうな1戦だが、あっさりと勝たれても不思議ない能力の持ち主だ。

 ▲イズジョーノキセキはアイルランドトロフィー府中牝馬S優勝馬。その後は4戦して思うような結果を残せていないが、うち3戦がGI競走だった。エリザベス女王杯は馬場に泣かされ、ワンターンのマイル戦を除けば有馬記念4着は立派だ。1800mは全5勝中4勝を記録している得意な距離。札幌競馬場は初めてだが、ペース次第では先行することもできる。軽量3歳馬に比べると57kgの別定重量は有利ではないが、その実績は軽視できない。

 △ウインピクシスは壇之浦S優勝馬で、それを含め全4勝を1800mで記録している距離巧者。長い休養を挟み、デビュー8戦目に3勝クラス特別に勝利したあとの重賞2戦はいずれも外枠に泣かされ、とくに前走の福島牝馬Sは2番手をキープしたものの、早めに被せられて自分の競馬をさせてもらえなかった。今回は自分の競馬ができそうだ。

 △サトノセシルは昨年の2着馬で、函館競馬場で行われた一昨年の3着馬。ほか福島記念2着、7歳になった今春の中山牝馬S3着。使える脚が短いのでなかなか勝ちきれないケースが続いているが、馬混みにひるまず狭いところを割って出てくるレースセンスの持ち主だが、中間に一頓挫あったのはマイナスだ。△トーセンローリエはアネモネS優勝馬。先行力と抜群のレースセンスを武器に3歳春に3連勝を記録した。札幌競馬場の経験はないが、昨年夏の函館競馬でデビューし2着。祖母の半姉に函館記念優勝クラフトワークがいて血統的にはむしろ得意だ。