KiSCO(株)(TDB企業コード:580098896、資本金1億100万円、兵庫県神戸市中央区港島南町5-3-6、代表清算人中路歩氏)は、2月2日に神戸地裁より特別清算開始命令を受けた。

 当社は、1961年(昭和36年)4月に大阪市にて創業、68年(昭和43年)9月に寿医科商事(株)の商号にて法人改組した医療機器卸業者。整形外科用の人工骨頭、手術器具、骨折合用医療機具、医療用消耗品などを仕入れ販売するほか、製造(加工)販売も行い、国内の医療器ディーラーを通じて全国の医療機関に販売していた。製造に関しては、国内や海外(フランスの子会社)において100%外注に委託。2007年3月には現商号に変更と同時に、本店を現所に移転した。2011年10月には大塚製薬(株)を中心とした大塚グループの大塚メディカルデバイス(株)(TDB企業コード:841002561、東京都港区)の100%出資子会社となり、当社グループの国内販売体制を一本化するなど合併効果などが寄与した2012年12月期には年売上高約22億円を計上していた。

 しかし、その後は未解決の医療ニーズを捉える開発型企業として展開してきたことで、経費が先行し、赤字が慢性化し債務超過に転落。同業者との競争も厳しく売り上げは漸減し、コロナ禍による営業環境悪化の影響で受注減となった2020年12月期には年売上高約11億8600万円に落ち込んでいた。こうしたなか、2021年10月には帝人ナカシマメディカル(株)(TDB企業コード:610373961、岡山市東区)と吸収分割契約を締結し、翌2022年2月には当社の脊椎および外傷領域に関する全ての事業を同社に包括承継。同年7月末には本店を閉鎖し、11月30日開催の臨時株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。

 負債は2021年12月期末時点で約65億8700万円だが、その後変動している可能性がある。