25日放送、NHK「サンデースポーツ」では、埼玉西武ライオンズからメジャーリーグに挑戦することを表明した菊池雄星にインタビュー。一時は距離を感じたメジャーへの想いを語った。

当初は高校卒業後のメジャー挑戦を目標としていた菊池。前例がないことで不安もあったが、「誰もやったことのないような高い目標を設定することで、そこに近づくんじゃないか」と考えたという。

だが、最終的には「日本の方全員に認められてから世界でプレーしたい」と、日本でのプロ入りを決断した。人材流出につながるなど批判的な声も上がる中で、一度夢をあきらめたのだ。

当時涙を流した菊池は、「周りのこととかすごい気にしていた」「僕が行くことで野球界が良くない方向に行くんじゃないかっていうのも強くありました」と振り返った。

ドラフト1位で西武に入団してからは、負傷にも悩まされ、5年間で22勝しか挙げられなかった。「まずはローテーションを守ること、結果を残すことだけで精いっぱい」だったという菊池は、6年目までメジャー挑戦への自信がゼロだったと明かす。

「メジャーというのは少し遠い存在になっていた」と話すなど、当時はメジャーのことが頭から離れていた時期もあった。夢に変わりはなかったが、「距離感がどんどん遠くなる時期だった」のだ。

転機となったのは、現地で本場の“ベースボール”を観戦したこと。鳥肌が立ったという菊池は、「ここで野球しなかったら、たぶん死ぬときに後悔する」と感じたという。

「1回ふたをしていた、忘れかけていたような場所だったので、そこにもう1回呼ばれているというか、意味があってここに来た」と考えた菊池は、肉体改造に励み、球界を代表する投手となった。

夢をかなえることになった今、菊池は「夢を語るとネガティブな反応もある」としたうえで、「高校のときもそうだったし、これからもそうだと思うし、その中で純粋に、周りを気にせず、自分が本当にやりたいこと、本当に行きたい場所に行くのが大事なんじゃないか」と話す。

菊池は「いまは自分の人生の中で一番の分岐点だと思うので、ワクワクした気持ちの方が強い」と、恐怖や不安よりも興奮を覚えていると述べた。

なお、この日の菊池の様子に、一部では「太りすぎ」「顔どうした」との声も上がったが、インタビューの2日前に親知らずを4本抜き、顔が腫れていたとのことだ。