業績に甚大な影響の可能性も…設備トラブル相次ぐ鉄鋼
JFEスチールの西日本製鉄所倉敷地区では、高炉3基のうちトラブルが起きた1基を現在も休止し、原因を調べている。稼働再開は11月中旬、全面復旧は12月下旬になる見通し。同社はこのトラブルで2018年度の生産量が、粗鋼ベースで40万トン下押しされると予想。西日本豪雨などの災害による影響もあり、同年度の粗鋼生産量は単体で2800万トン程度と、前年度の2846万トンを下回ると予想している。
17年にも新日鉄住金やJFEスチールの設備でトラブルや事故が相次いだ。背景として設備の老朽化や技能者の世代交代を指摘する声もある。各社は設備の改善に向けた投資や、故障を予見するためのビッグデータ(大量データ)解析などに取り組んできた。だがJFEスチールを傘下に置くJFEホールディングス(HD)の岡田伸一副社長は「製造基盤の強化に向けた設備の改善は、まだ道半ばだ」と振り返る。
人口減少などに伴う鉄鋼需要の先細りをにらみ、製造設備の集約を進めたことから、各社の生産余力は乏しくなった。こうした中でトラブルや事故が続けば、業績に甚大な影響が及びかねない。
(文=宇田川智大)
