日豪エネルギー協力の象徴、褐炭水素プロジェクトが動き出した!
埋蔵量2000億トン
豪ビクトリア州の褐炭可採埋蔵量は推計約2000億トン。日本の総発電量の約240年分に相当する。褐炭は水分を多く含み重量当たりのカロリーが低く輸送に向かない上、乾燥させると自然発火する。現地での発電利用など使途は限定的だ。
技術的連続性
液化水素は気体水素に比べて体積が約800分の1。気化することで純度の高い水素を取り出せる。液化天然ガス(LNG)と同様のインフラ構成で、技術的な連続性が高い半面、LNGより低温で海上輸送や荷役・貯蔵で新規のインフラ整備が必要だ。
30年頃の商用化を見据え、技術確立と実証を進めるのが川重、Jパワー(電源開発)、岩谷産業、シェルジャパン(東京都千代田区)の4社により設立された技術研究組合「CO2フリー水素サプライチェーン推進機構」だ。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として褐炭ガス化技術、液化水素の長距離大量輸送技術、液化水素荷役技術を20年度までに確立。豪州の連邦政府・州政府の資金援助を受け、ガス精製、水素液化・積荷技術の開発を進めていく。
政府は50年に水素コストを現状比5分の1の1ノルマル立方メートル当たり20円を目指し、ガソリンやLNGと同等に引き下げる方針だ。石炭の10分の1以下である褐炭など安価な原料を活用し、大量に製造・輸送するためのサプライチェーン構築は欠かせない。
(文・鈴木真央)
