侍ジャパンU-18代表vs台湾代表
先発・今井達也（作新学院）
勝てば一次リーグ突破が決まる台湾戦。日本戦ということで、多くの台湾人が駆けつけ、チアリーダーも応援しながらのスタイルと、完全アウェーの日本代表。そんな中、先発したのが甲子園優勝投手の今井 達也（作新学院）。
甲子園の激闘の後、疲労が心配されたが、壮行試合で150キロ台を連発し、周囲をほっとさせた。やはり蓄積疲労と環境の違いが大きかったのか、今日の今井は立ち上がりから常時130キロ後半〜140キロ前半の速球と明らかに日本にいた時よりも球威がない。台湾打線は150キロを投げる今井を想定して練習をしていたのもあるだろう。球速が落ちた今井のボールをしっかりとボールを見極めていた。
何度もピンチを迎えながらも、台湾打線をしのいでいた。日本代表は台湾の先発・翁瑋均の186センチの長身から投げ込むキレの良いストレートとスライダーに苦しみ、3回まで無得点だったが、4回表、鈴木 将平(静岡）の二塁打をきっかけに、一死二、三塁から6番藤平 尚真（横浜）は高く跳ねた遊ゴロ。鈴木が絶妙なゴロゴーで生還！日本代表が1点を先制。さらに二死三塁から7番林中 勇輝が左前適時打でさらに1点を追加し、2対0とする。林中は台湾入りしてから調子を上げてきているが、小枝守監督から下半身の使い方をアドバイスされて、フォームを固めたことが好影響が出ている。
日本らしいコツコツとした点の取り方であった。やはりチャンスを作ったのは鈴木からであった。
林中勇輝（敦賀気比）
今井は台湾打線に粘られ、球数がかさんだ。5回裏、一死一、二塁。4番陳琥を迎えたところで降板した。球数は84球。本人は口にしていなくても、やはり疲労は抜け切れていないと感じた試合だった。異国の地で投げる場合は、日本で出している力はそのまま出ないと思ったほうが良いだろう。決勝戦を見据えると、今の今井の状態では不安が残る投球内容であった。国際大会では自分たちの思い通り、計算通りにはいかない。今井を見て実感させられる。
2番手に登板した堀 瑞輝が「絶対に抑えなければならない場面」と奮起し、キレキレのスライダーで4番陳琥をオールスライダーで空振り三振に打ち取って、ピンチを切り抜けると、6回表には相手のパスボールで1点を追加した日本代表。
小枝監督は、掘の後に高橋 昂也を投げさせるプランもあったが、3点目を入れたのを見て、いけるところいかせると判断。そして堀の球威、コントロールが9回になっても衰えがなかったので、結局、最後まで投げさせて完封リレーで一次リーグ1位で、スーパーラウンド進出が決定した。
この日は点が中々取れないということで、5犠打を絡めた日本代表。やはり強豪国相手になるとこれぐらいの点数しか取れないことが分かった。 次はインドネシア戦。1位通過が決まっているのでいろいろと戦力を試すことができる。スーパーラウンド、その先の決勝戦を見据えて、特に投手陣は戦力となる選手を見出していきたいところ。
（文＝河嶋 宗一）
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