海星(長崎)編「大型選手を次々と輩出する海星」
長崎県の高校野球をリードする海星。これまでに夏の甲子園出場17回、選抜出場4回を誇る。プロ入り選手も多く輩出している他、智辯学園、智辯和歌山を強豪校に育て上げた高嶋 仁監督(関連コラム)もこの学校のOBである。今回はそんな海星のつながりを見ていきたい。
昭和から平成まで大型選手をプロの世界へ送り込む海星は1892年創立と歴史が古い学校だ。甲子園に初出場したのは、1959年。その後、なかなか上位に勝ち進むことができなかったが、1976年、エース酒井 圭一投手の活躍で勝ち進む。長崎大会、西九州地区大会(当時は単独出場ではなかった)の予選計7試合で70奪三振、失点はわずか1、ノーヒットノーランを2試合記録するなど、圧巻の投球を見せた酒井は強豪を次々と破り、ベスト4の成績を収めた。酒井はその世代を代表する剛腕右腕で、NPBの各球団から評価されており、その秋に行われたドラフト会議でヤクルトスワローズから1位指名を受ける。そして酒井は当時では破格となる契約金3000万、年俸240万で入団した。
その後も海星は錚々たる人材を輩出。阪神タイガースのチーフ兼守備走塁コーチである平田 勝男氏、1987年のドラフトで3位指名を受けプロ入りし、通算183本塁打、1827安打を記録した千葉ロッテの大打者・堀 幸一氏、2005年の希望枠で西武ライオンズに入団した左腕・松永 浩典氏。また強肩強打の大型外野手として、1年目から一軍で5本塁打を放ち、飛躍を期待されている江越 大賀選手(阪神タイガース)、さらに抜群の守備力と強肩を誇る永江 恭平選手(埼玉西武ライオンズ)と多くの好選手を輩出している。
そして2014年、プロ志望届けを提出したものの、指名漏れを味わった吉田 嵩(2015年インタビュー)。卒業後、吉田は1年でも早くNPB入りするために、独立リーグの徳島インディゴソックスに入団。高卒1年目ながら先発投手として活躍を見せた。そして昨年10月、中日ドラゴンズに育成枠で指名され、見事に有言実行を果たしている。
甲子園の実績、人材の輩出度という点において、長崎県を代表する学校には間違いないだろう。今年は選抜大会出場を果たしたており、大会でどこまで勝ち進むことが出来るかにも注目したい。
[page_break:近年の卒業生を紹介]近年の卒業生を紹介近年の卒業生を見ていくと、プロ野球でプレーしている選手が3名おり、強豪大学、社会人で続ける選手も多くいる。今年も、甲子園出場したことで大学で続ける選手も多く出てくるだろう。今後の活躍に注目をしていきたい。
■2011年卒・江越 大賀(駒澤大−阪神タイガース)
■2012年卒・牧瀬 凌都(明治大卒)・永江 恭平(埼玉西武ライオンズ)
■2013年卒・江越 海地(長崎重工長崎)
■2014年卒・本田 勝也(九州産業大)
■2015年卒・吉田 嵩(徳島インディゴソックス−中日ドラゴンズ)・中嶋 誠一郎(神奈川大)
■2016年卒・高山 凌(日本体育大)・石場 匠(立正大)・平湯 蒼藍(専修大)
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