県立金沢西高等学校(石川)

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 1974年に開校した石川県立金沢西高等学校。毎年90パーセント以上の生徒が進学し、国公立大学への進学者も多く輩出しています。また、文部科学省より読書活動優秀実践校として表彰を受けており、近隣の保育園や老人ホームなどで読み聞かせ研修も積極的に実施されています。部活動も盛んで、女子バスケットボール部は3年連続でウインターカップに出場、フェンシング部やレスリング部も全国の舞台で活躍を見せています。

 野球部のOBには2012年ドラフト6位で東京ヤクルトスワローズに入団した谷内 亮太選手がいます。昨秋はベスト8でしたが、2008年春、2011年秋に県優勝している金沢西。甲子園出場にはあと一歩届いていないもののその力は十分に秘めています。その「あと一歩」の為にとことん具体的にイメージし、全員がヒーローになる瞬間へ。金沢西の取り組みに迫りました。

チーム基本情報を紹介!

■金沢西高校の宮下 翼君(学年:2年/役職:主将)にお話を伺いました!

Q. 部員は何人いますか?

 1年生が18人で、2年生は22人です。

Q. 練習のグラウンド環境を教えてください。

 学校に隣接している野球部の専用スペースがあります。両翼104メートル、センターは100メートルあります。

 専用スペースでそれだけ広いのは良いですね。

[page_break:今年のチームについて]今年のチームについて

Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を3つ教えてください。

「安定した投手力」「終盤の粘り・逆転」「小技の精度」の3つです。

Q. このオフシーズンのチームとしての目標を教えてください。

 体格アップのために、体重10キロアップを目指しています。それと走れる下半身強化です。

Q. 10キロは見た目にも逞しくなるでしょうね。では、オフシーズンの名物練習やキツい練習はありますか?

 280メートルインターバル走と伸脚スクワットです。

Q. 280メートルという微妙な距離がニクいですね。そういった練習を乗り越えて、春夏はどんな目標を抱いていますか?

 優勝です!

秋の大会を振り返って

Q. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか?

 実力の9割近くは発揮できました。しかし課題もたくさん見つかった大会でもありました。

Q. 9割発揮とはすごいですね!では見つかった課題もふまえて、この冬強化したいこと、取り組んでいることはありますか?

 強化したいのは打撃力の向上です。そのためにも、ウエイトや走り込みに力を入れて、スイング量はもちろんですが、試合をイメージした練習をしています。

Q. 試合をイメージするのは大切ですね。この秋対戦した中で「もう一度試合がしたい」と思うチームはいますか?

 小松大谷高校です。秋の大会で悔しい負け方をしたため、リベンジしたいです。

Q. その機会、あるといいですね!では、チームの中で、秋に活躍した仲間を紹介してください。

 エースとして最少失点に相手を抑えゲームを作ってくれた砂山 瑞樹と、4番として1本欲しい時に必ず打ち、チームに勇気を与えてくれた鷗端 諒大です。

Q. エースと4番が活躍なんて理想的ですね!続いて、チームの中で春以降キーマンとなってくれるであろう選手を教えてください。

 正捕手の川端 大智です。長打力と盗塁を試みるランナーを刺してくれることに期待しています。

Q. さて、2年生にとっては最後となるオフシーズン。1年生にとっては、初めてのオフシーズンだと思いますが、春に向けてどんな冬にしたいですか?

 県ベスト8という秋の大会結果に満足せず、チーム全体で優勝に向けて良い雰囲気の中、厳しさを持って練習に打ち込みます!

 宮下主将、ありがとうございました!

[page_break:指導者が語る!このチームの強み]

 ここからは、金沢西のエース砂山 瑞樹君と、4番の鷗端 諒大君にお話を伺います!

Q. 高校野球が好きな理由は何ですか?

砂山 瑞樹(以下「砂山」):強い弱いに関係なしにドラマ性を感じる所と番狂わせが起こったり、熱い気持ちが周囲に伝わる所です。鷗端 諒大(以下「鷗端」):全力プレーで観ている人達の心を動かしたり、技術面以外でも人として成長できる所です。

Q. ではこの冬はどんな風に過ごしていますか?

砂山:「心、技、体」すべてにおいてレベルアップを目指し、春に向けて充実した冬にしています。鷗端:体を大きくして打撃力の更なる向上を目指しています。また、後輩達に打撃の指導をしてチーム全体の打力アップにつなげたいですね。

Q. さすが先輩!伝えられることはしっかり伝えてくださいね。では、野球をする上でモットーにしている好きな言葉を教えてください。

砂山:「強気」です。鷗端:「闘争心」です。

Q. どちらも男らしくて良いですね!最後に『自分はここまで成長するぞ!』という熱い宣言と夏までの目標をお願いします。

砂山:体を大きくまた強くして私学の選手と互角以上に戦えるように技術の向上とメンタル面を強化します。具体的には公式戦1試合与四死球2以内での完投と140キロ以上の球速でコントロールし、駆け引きできる投手になります。

鷗端:チームの勝利にとことんこだわり、リーダーシップを発揮します。そしてホームランを7月までに15本以上打って、石川県内屈指の左の強打者になります!

 具体的な数値目標があるとは素晴らしいですね!きっと超えられるでしょう!砂山君、鷗端君、ありがとうございました!

指導者が語る!このチームの強み

■川場 裕佑監督に質問!

Q. 今年のチームは、どんなテーマを持って作り上げてきたのでしょうか。

 プレーに対して意識して動くこと、準備、次の予測、全力疾走等が指導のテーマであり、秋は良い結果につながりました。一方で課題としては、練習の中での試合イメージが弱いために慌てたプレーが敗戦につながってしまったことです。

Q. 試合イメージですか。この冬はその辺りも?

 そうですね。冬の練習の中で現在は、夏の県大会決勝戦を個々の立場や役職に合わせ、イメージした1球ひと振りを実践しています。中味については、超具体的で、どんな投手、どんな打者なのか、イニング、カウント、天気、得点、観衆など多岐に渡ります。大舞台で勝負する自分をテーマにヒーローになる瞬間を練習しています。妄想は必ず現実の場面に現れる事を常に指導し意識させています。

Q. 天気や観衆まで!とことんイメージするんですね。では最後に、厳しいトレーニングに取り組んでいる選手達へ一言、お願いします!

 2年生はあと半年余りで高校野球が終わるぞ!!存分に野球をやろう!

 泣いても笑ってもその時は来ます。ヒーローになる瞬間を目指してがんばってください!川場先生、金沢西高校野球部のみなさん、ありがとうございました!