イタリア代表のキャプテンを務めるGKジャンルイジ・ブッフォンが記者会見で、八百長スキャンダルについてコメントした。同選手は「驚き」を示している。ただそれは、サッカーがこうなっているからだけではない。

ブッフォンは自身の発言が国、そして代表の問題となったことにも驚きを示している。ブッフォンは先日、「一つの死よりも2つの傷の方が良い」と発言した。八百長とは関係なく、単純に両チームにとってドローという結果が好都合な場合もあり得るという発言だ。だが、この問題が発言となり、ブッフォンは記者会見で報道陣に対し、オープンだが厳しいやり取りを繰り広げた。

「もう自分が心で思い、頭で考えることを言うことはできないね。善良な人間たちが思っていることを言えないんだ。世界はこうなっている。良くないと思うね。だが、他人が考えを言う自由は守られるべきだろう。人生では責任を負わなければいけないことがある。僕は常にそうしてきた」

「ずっと昔からサッカーにかかわっているのに、君らはそうやって説教するんだ。僕は、君らメディアが望むことを言わなければいけないわけじゃない。ある種のテーマに触れたとき、君らにとっては正しいタイミングじゃないのだろう。でも僕は、物議は醸すかもしれないけど、犯罪や詐欺組織と比較することなどできないような振る舞いとの区別はすべきだと思っていた。これだけ違うことを、どうして比較できるんだ?」

「当局が僕と話したがっているのは本当か? それは君らメディアが僕に言うべきだろう。結局、君らの方が先に知っているじゃないか。いつも当人より先にメディアが知っているんだ。僕は司法が正しいことをすると信頼しているよ。人の人生に関してつけこむことほどひどいものはない。レッチェ戦で僕がミスしたのは、僕がその試合で賭けていたからだと思うなら、もう言うことはないよ」

「(EURO04のデンマーク対スウェーデン戦について)怒りはしなかったけど、驚いていた。でも、レアル・マドリーとバイエルン・ミュンヘンは、チャンピオンズリーグの延長戦で戦わなかった。彼らはPK戦まで行くのを望んでいたんだ。それで、司法に連絡しようっていうのかい? シーズン終盤になれば、残留のために両軍が勝ち点1で良しとするという試合もあり得る。君らメディアは何を求めているんだ? 降格することになったら、それをサポーターに説明するのは誰なんだ?」

「(ドメニコ・クリッシトへの家宅捜索について)僕は寝ていた。気づきもしなかった。でも彼にとって、良い目覚めじゃなかったのは当然だね。あのときも、朝の6時でコヴェルチャーノにはすでにテレビカメラがあった。イタリアではすべてが即座に知られる。そういう知らせも数か月前から君らメディアに届いている。恥だよ。イタリアサッカー連盟が警察の訪問について何か知っていたか? いや、知らなかったと思うね」

「(リーグ戦中断に言及したマリオ・モンティ首相について)良識のある正しい人だ。だが、これに関するベストの答えは、(ジャンカルロ・)アベーテ会長のそれだろうね。イタリアでは主要な問題がサッカーだと思われている。高額を稼ぐ選手はトップチームの一部だけなんだよ。大半の選手は、引退したら仕事をしに行かなければいけない。セカンドキャリアを築かなければいけないんだ」

「ただ問題は、自分の中に重要な価値があるかどうかだ。僕は、たとえスモールチームでプレーしていたとしても、自分がそういうことをしたりはしないと思う。家族が僕にそういう価値を与えてくれたからだ。もちろん、サッカーの現状には驚いているよ。サッカーがストップしたら、誠実な選手たちの80%、85%が罰せられることになるだろう」

「(レオナルド・ ボヌッチについて)捜査通知がされた人(クリッシト)とされていない人(ボヌッチ)の違いがある。なのに、新聞では両方が同じかのようだ。クリッシトとは(チェーザレ・)プランデッリ監督と(デメトリオ・)アルベルティーニ連盟副会長が話した。彼はEUROで注目を集めるかもしれなかった。法的に明確にしてから大会に臨むこともできた? 論理的にはそうかもしれない。でも、今のイタリアに論理はないんだ」

「サポーターと選手の関係? シンプルな関係なら、何が問題なんだ? 問題は、その背後に何かある場合だけだ。(ダニエレ・)デ・ロッシは2006年よりひどい状況だと言っている? 同意するか? イエス。今はサッカーシステム全体が絡んでいる。06年は主に一つのクラブ(ユヴェントス)だった。(アントニオ・)コンテ監督? 彼を失うことなど恐れていない。考えたこともない。彼に対する非難はそれほど強いものだと思わない」

「とにかく、雰囲気はとても良い。僕らは勝利を望んでいる。主役の役割を演じたいとね。でも、うまくいったとしても、スキャンダルが奏功したとかは言わないでくれ。イラつくだけだ」